Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
2/1宵 金星と細い月と土星が接近

秋の夜長に星空撮影(2)

2015-10-31 10:00:00 | 遠征日誌

12日の晩は、GPV予報を参考に晴れる確率が高そうな伊豆天城高原まで遠征しました。
目論見どおりの好天に恵まれましたが、強風が吹いていたため主砲での撮影を断念。
仕方なく200mm望遠レンズを使って、少し広めの画角で見映えがしそうな対象を狙いました。
で、この晩のベストショットがこちら↓

m45-200mm_15.jpg

【すばるとその周辺の星雲】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,
 総露出時間64分(4分×16コマ),中型赤道儀使用

お馴染みの「すばる」を長時間露出で撮ってみました。
ほぼ全面に写ってるモヤモヤは地球大気圏内の雲ではなくて、
約440光年先の宇宙空間に漂っている星間ガスってヤツです。
すばるの星々が銀河系内を移動中にたまたま遭遇した星間物質を照らして
淡く光って見えているのがモヤモヤの実体です。
広大な時空の中の出来事ですから、明日になれば晴れ上がるということはありません。
ところで、以前に星空雲台ポラリエを使って、同じ対象を狙ったことがありますが、
今回は追尾精度的に余裕のある赤道儀+オートガイドシステムを使って
長時間露光にて撮影したので、かなり淡いところまで描出できたような気がします。

逆にイマイチな出来映えだったのがコレ↓

Sh2-129_15.jpg

【ケフェウス座の散光星雲 Sh2-129】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,
 総露出時間64分(4分×16コマ),中型赤道儀使用

マイナーな天体ですが意外と大きいので、200mmの縦構図でちょうどいい感じに収まります。
淡い星雲であることに加えて、天城高原では北天が市街光で明るめなのでカブリが酷く、
自分の画像処理能力では太刀打ちできなかったようです。

同じ北天で、こんなのも狙いました↓

n78222-ce214-sh170.jpg

【ケフェウス座の散光星雲 NGC7822&Ced214&Sh2-170】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,
 総露出時間64分(4分×16コマ),中型赤道儀使用

一番上の弧状星雲がNGC7822で、NGC番号の付いた散光星雲としては最北の天体です。
その下の塊状の星雲がCed214で、NGC7822より少し明るめなようです。
この2つの星雲を合わせると、パラセイリングしてる人みたいなイメージに見えます。
さらに一番下の小さい星雲がSh2-170で、真ん丸な姿が特徴的です。
それも含めた全体像は"?"に似ていると言われてますが、"."が若干離れてる感じでしょうか。
Sh2-129と比べれば明るめの天体で、まずまずの写りになりました。

で、最後に狙ったのがコレ↓

heart&soul_15.jpg

【カシオペヤ座の散光星雲 NGC1848&1805】
 キヤノンEOS60Da+200mm望遠レンズ,ISO1600,F4,
 総露出時間64分(4分×8コマ×2フレームパノラマ合成),中型赤道儀使用

左側がNGC1848で、「胎児星雲」の異名を持ってます。
この拡大率の画像では分かり難いですが、本当に胎児のような姿に見えるんで驚きます。
右側がNGC1805で、「ハート星雲」と呼ばれてます。
ハートマーク♡と言うより、左心室と右心室に分かれているようなリアル系イメージになってます。
美少女戦士セーラームーンの変身アイテム「クライシス・ムーン・コンパクト」にも
似ているように見えてしまうのは自分だけでしょうか・・・
この2星雲はカシオペヤ座とペルセウス座の境界付近に並んでおり、左右別々に撮って、
パノラマ合成してみましたが、2つのコマの合わせしろをあまり考慮せずに撮ったため、
構図的にイマイチな感じで、トリミングする破目になってしまいました。
写りは悪くなかったんですけどねぇ。

ということで、10月の連休中の☆撮り成果は全部で6点でした。

11月は2日を休めば4連休になりますけど、月が明るい時期なので☆撮りには不適です。
勤労感謝の日に絡んだ3連休も上弦過ぎの月が明るくてダメな感じなので、
14,15日の通常の週末が☆撮り日和になりそうです。立冬を過ぎると、さすがに寒いだろうなぁ。


明け方の東天で接近した木星と金星

2015-10-26 22:40:00 | 天文現象

今朝、東の空に輝星2つが並んで見えました↓

木星&金星_20151026.jpg

 キヤノンEOS60Da+400mm超望遠レンズ,ISO12800,F5.6,
 露出1/40秒,手持ち撮影,スターエンハンス処理

左が木星で、ガリレオ衛星が2つ写っているのが辛うじて確認できます。
右は金星で、木星よりも明るく写ってます。

ところで、両者は今年7/1に夕方の西天で大接近しました。
次は来年の8/28に夕方の西空で接近し、その際の角距離は約30分で今回の半分くらいになります。
南米のブラジリア辺りでは現地時間で前日の夕刻に角距離4分という超大接近が見られます。
満月の直径が約30分ですから、その1/8ぐらいの離れ具合に相当し、
天体望遠鏡で300倍の高倍率でも両者を同一視野に捉えられるレベルです。
地球の裏側での出来事ととなるのが残念ですね。


秋の夜長に星空撮影(1)

2015-10-25 00:02:00 | 遠征日誌

体育の日に絡めて13日も有休取得し、個人的に4連休となった先々週は、☆撮り三昧でした。

10/10の未明は長野県野辺山高原まで遠征。
某天体を集中して撮影してましたが、頻繁に流れてくる千切れ雲に邪魔されて撃沈。
夜明け前の東の空に集合した月と4惑星を広角レンズで急遽撮ったのが唯一の成果でした。
その画像は既に同日のブログ記事にアップしてます。

10/11は八千穂高原まで出掛けましたが、前夜よりも雲の多い天候にまたしても阻まれます。
仕方なく夜半前に現地を後にしましたが、新たな撮影地でも探索しようと思い立って、
少し南の八ヶ岳高原に向かいました。場所は八ヶ岳東麓に広がる別荘地エリアになります。
個人的に未踏の地域なので土地勘は全くなく、あちこち走り回った挙句、
別荘地から少し離れたところにちょっとした駐車スペースを見つけました。
南~西側は視界が若干狭めですが、北~東はとっても開けていて、低空まで見渡せます。
天気もタイミングよく回復傾向となり、オリオン座がクッキリと見えてきてました。
ただ時刻は1時を回っていて、もう大がかりな撮影機材をセットアップする気力はありません。
そこで、せめてこの地の空の暗黒度を評価してやろうと、カメラレンズでのお気楽撮影を敢行。
とりあえず狙ったのはオリオン座頭部にあるこの天体でした↓

Sh2-264_15.jpg

【オリオン座の散光星雲 Sh2-264 エンゼルフィッシュ星雲】
 キヤノンEOS60Da+105mm望遠レンズ,ISO800,F4,
 総露出時間60分(6分×10コマ),中型赤道儀使用

左下のオレンジ色の星は「冬の大三角」を形成するオリオン座の1等星「ベテルギウス」です。
その北西に大きく広がる赤い散光星雲がニックネームのとおりユニークな恰好をしており、
☆撮り屋の間では比較的人気のある撮影対象になってます。
淡い天体ですが、そこそこ描出できたので、暗黒度も含めて空の状態は良好だったようです。?

次に撮ったのはコレでした↓

orimideast15.jpg

【オリオン座中心部~南東部】
 キヤノンEOS60Da+105mm望遠レンズ,ISO3200,F4,
 総露出時間16分(1分×16コマ),中型赤道儀使用

左にバーナードループと呼ばれる超新星残骸の赤い帯、右寄りに三ツ星と有名な馬頭星雲付近、
その下にオリオン大星雲が写ってます。
薄雲が流れてくるようになってしまったため、ISO感度を上げて短時間露出でコマ数を増やし、
雲に邪魔されたコマを後で選別する作戦を選択しましたが、どうも星が滲んだり、
部分的に写りの悪いものもあって、写りはイマイチでした。

この晩に撮れたのはたったの2コマでしたが、新たな撮影適地を発見したのは大収穫でした。
んー、でもやっぱり撮り足りない感じで、結局12日の晩も出撃することに・・・
果たして連休最終日は天気に恵まれたのか? その顛末は続編記事で紹介します。