前回からの続きです。
立神岩を間近に見られるポイントをあとにし、周遊道路を西南西へさらに進むと、
海岸線から道が逸れるとともに上り坂になって海抜が高くなっていきます。
すると道端にこんな案内板が立ってるのを見つけました。
人面岩? 何それ?って好奇心を掻き立てられ、海側に延びる鬱蒼とした細い道に徒歩で入ります。
まるで獣道ですねぇ。少し歩いたところで、こんな蝶を見掛けました。
あとで調べると、リュウキュウヒメジャノメっていう蝶らしいことが分かりました。
マダラチョウも飛んでたんですけど、なかなか止まってくれなくて撮影できず・・・
で、ゆっくりと5~6分ほど歩くと分かれ道が・・・
とりあえず道幅が広い左(東)の方に進むと、前方に展望台らしき建造物が見えてきます。
そこからの眺望はなかなかの絶景でした。
右方向に立神岩を望むことができ、ここから見る姿はモアイ像っぽい感じです。
でも、ここが人面岩展望台なのかなぁ? 人面岩っつーのがどこに見えるのやら、全く分かりません。
ガイドマップなどで調べてみると、どうもこの展望台から見えるものではないみたいです。
その詳細な位置を確認すると西の方にあり、どうやらさっきの分かれ道を右に行った先にあるらしい。
道端に立ってる画像付き案内板に思いっ切り騙されました。「人面岩近くの展望台」に過ぎないじゃん!
仕方なく分かれ道まで戻って反対方向へ進むと、道がさらに狭くて暗くなっていくのでした。
こんなとこ歩くの? マジで~?って感じの道が続きます。怖い野生動物とか出てきたりしないだろうか?
どこまで行けば辿り着けるのか不安になりながら、分岐点から歩くこと10分弱で左側に妙な杭を発見。
そこにビーサンがくくり付けてあり、これが手作り感たっぷりながら滅茶苦茶親切な案内板なのでしたぁ。
その指し示す方向に草を掻き分けるようにして進むと、目的のでっかい岩が鎮座しているのでありました。
片目を細めたようなご尊顔ですね。でも、獣道を15分弱かけて来た甲斐があったのか微妙な感じ。
まぁ、土産話の一つにはなるかなぁ? うなだれ気味で、来た道を戻るのでした。
さて、周遊道路に戻ったところで西に向かい、ほぼ下りの坂道を2~3kmほど行くと比川集落に入ります。
細い道が入り組んでる感じでちょっと迷いましたが、次の目的地であるココに辿り着きました。
「Dr.コトー診療所」です。十数年前に放映されたTVドラマで使われたオープンセットが残ってるんです。
個人的に同ドラマは見てなかったもので、ストーリーとかも含めて詳細などはよく知らないんですけど、
与那国島がロケ地になってたらしく、ドラマに出てくる「志木那島診療所」という架空の島名を冠した
診療施設がココなんだそう。同ドラマのファンにとっては一度は訪れてみたい巡礼地になってるらしく、
島の観光資源の1つって感じかもしれません。ちなみに、建物の中に入るには料金がかかるみたいです。
特に思い入れがあるわけでもないんで、外から見るだけに止めました。
で、すぐ横には綺麗な砂浜が広がってます。
比川浜というビーチでした。ここもドラマで何度となく出てきたらしいです。そりゃ目の前ですからね。
晴れてたら、さぞかし美しい光景が楽しめたんだろうなぁ。ここも前日に来れば良かったかも?
そんな残念な空が、ここでとうとう泣き出してしまいました。それもかなりのドシャ降りです。
時刻はお昼を随分と過ぎていたこともあり、近くの比川共同売店に駆け込んで菓子パンなどを購入し、
それを食べながらしばし休憩。結構長居し、小止みになってくれたところで、再び移動開始。
南の海岸線に沿った道を行くつもりが、間違えて内陸側の道を選んでしまい、景色を楽しめないまま
前日に訪れた久部良港に辿り着きました。これで2日かけて島を概ね一巡りしたことになります。
で、ナーマ浜のある方を見ると、昨日は見掛けなかった大きな船が着岸しているのが見えました。
何かなーって思って近くに行ってみると、石垣島との間を運航するフェリーなのでした。
調べたら週に2便だけ往復していて、所要時間は片道4時間ほどと飛行機の8倍程度かかるようです。
料金は空路の約1/3と安いですが、所要時間を考えると使えねーヤツだなぁ(と、この時は思いました)。
ところで、この久部良集落には日本最西端の信号機があるんですヨ。
交通量は少なく、不要な気もしますが、島で生まれ育った子供達の教育用として設置されてるんだとか。
で、この日の最後に訪れた観光スポットはココでした。
悲しい言い伝えのある岩場のようです。身重の体では飛び越え難い割れ目だったんでしょうかね?
ここも晴れていれば綺麗な海が望めたんでしょうけど、ちょっと殺風景な印象でした。
時刻は16時半を過ぎ、石垣島への帰り支度をしようと思って祖納集落へ戻り、移動手段となった足を返却。
その店舗の方に空港まで送ってもらいました。
雨は降っておらず、空は少し明るさを取り戻してましたが、雲の流れは速い感じ。
で、今日の空路の運航状況を確認すると、こうなってました。
午前中は全便が飛んだようですが、午後イチの便は悪天候だったせいか欠航になってました。
確かにその頃は豪雨だったんで、さもありなんって思いましたが、自分の搭乗する最終便は大丈夫なのか?
その不安が的中してしまい、天候調査中で出発が遅れる可能性もあるとのアナウンスがあって、
ギリギリまで待たされた挙句、結局のところ欠航となってしまいます。これには困りました。
仕方なく明日の便のキャンセル待ち整理券をとりあえず貰ったものの順番は41番目。
午後イチの便も欠航したんで致し方ないか。問題は1便あたり何人分のキャンセル待ちが捌けるかです。
使用機の座席数は僅か50席なので、朝一番の便への搭乗はまず無理と予想され、2便目も危うい感じで、
最終便にも乗れるかどうか微妙。いやー、ここで島脱出の緊急ミッションが課せられるとはねぇ・・・
あと、今夜の宿はどうするのかも大問題ですが、お世話になったホテルに電話をしてもう一泊できないか
交渉したら、割とすんなり部屋を押さえられました。当然、この日に宿泊予定だった石垣島のホテルは
キャンセルするしかないんで、そちらにも電話を入れます。ドタキャンなんで返金は一切無し。トホホ・・・
さらに、プランを組んでくれた旅行代理店にも連絡を入れて諸事情を伝えたら、とりあえず当該航空便の
欠航証明書をを貰っておいてくれと指示されたんで、受付カウンターに行って入手しました。
それと、翌日の3つの便に乗れそうにないなら、船で石垣島に戻る手段もあるよ♪っていう情報をGet。
その船というのは、何と2時間ほど前に久部良港にて興味本位で見たフェリーなのでした。
しかも停泊していた船は週2便しかない石垣島行きの1便として、幸運にも翌朝に出航するとのこと。
事前の乗船予約などは不要で、乗れる人数は航空便とは比べ物にならないほど多いんで、出航の1時間前に
船が停泊しているところの傍にある事務所に行けば乗船券が買える筈っていうことも教えてもらいました。
ということで、明日確実に石垣島に戻るのなら、この手段しか無さそう。もうフェリー様様ーって感じ。
そうこうしているうちに、空港の外では雷が鳴り響き、大雨になってました。
で、ホテルにはタクシーで行こうと思って電話で配車を依頼したら、何と今日は営業を終了したとのこと。
マジか? 参考までに島内のタクシー事情を尋ねると、台数は片手ほどしかなく、ドライバーも少ないんで
配車に時間を要することもあるとの話でした。となると明朝に久部良港のフェリー乗り場まで行くなら、
事前予約をしておいた方が良さそうと思い、咄嗟の判断でお願いしたら快諾してもらえました。
その間にも雨は激しさを増し、傘をさして2km以上先の集落まで歩くのはさすがに厳しい状況になり、
他の交通手段が無いものか探してみると、無料の生活路線バスがまだ運行時間内であることが判明。
スマホでネット検索すると空港バス停に約15分後に来る予定で、それが何と空港に寄る最終便なのでした。
運がイイのかワルイのか、よく分からない状況の中、ほぼ定刻にやって来たバスを利用しましたが、
祖納集落に最短距離で行ってはくれず、反時計回りに空港→久部良→比川→祖納とかなり大回りしたため
30分以上もかかりました。まぁ、経路が決まってるんで仕方ないです。それでもありがたかったなぁ。
降りたバス停からホテルまでは200mもない距離でしたが、ズボンが見る見るうちにびしょ濡れになりました。
夕食をどうしようかと思いましたが、すぐ近くの商店が開いてたんで適当に購入して済ませることに。
で、その買い物をした際に、お釣りでコレを貰いました。
実は今回の旅における5番目に重要なミッションが、この二千円札をGetすることだったんですが、
思いがけないところで実現したのでした。沖縄県ではまだ流通してるって聞いてはいましたが、
最西端の島で入手することになるとは想定外でした。ホントはツイてるのかも?
で、ホテルにチェックインし、すぐに天気情報サイトで1時間ほど前の雨雲の状況をチェックしたら・・・
与那国島付近は真っ赤っ赤! そりゃあ欠航になるわなーって感じ。石垣島は大丈夫そうでしたけどね。
その後のニュースサイトには、1時間に100mmという猛烈な雨が降ったとの一報が・・・
確かに大きい雨粒が部屋の窓を叩くような音が響いてるんで、台風並みの集中豪雨と思われます。
明日になれば天候が回復してくれるのかな?
(翌日につづく)