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トレンドに従った予想にはほとんど意味がない

2006-01-04 21:25:39 | 株式投資・資産運用
 年末・年始の時期には、「今年の相場展望予想」云々といったコメントをよく見かけます。

 昨年から今年にかけて、相場は上昇してきています。こういう時期の予想というのは、えてして楽観的なものが多くなりがちです。逆にズルズルと下げてきた時期というのは悲観的な予想が多くなりがちな傾向があるでしょう。

 人の「予想」というのは直近の状況に大きく影響されやすいということでしょうね。

 まあ、騰がる予想と下がる予想ではどちらが好まれるかというと、一般に前者です。とりわけ「株式評論家」のみなさんの予想は多くは楽観的なものになりがちです。「識者」のみなさんのコメントも傾向としては同様でしょう。

 もっともらしい理由はいくつでも見いだせます。やれ、企業業績が好調だの、景気回復の兆しは本格化だの、中国経済は高成長を維持だのと。

 また、去年の予想を引っ張り出してきて、当たったのはずれたのだのといったコメントも見受けられます。日経マネーのblogのコメントなんかはこれですね。そりゃ、中には「見事」に当たった人もいるわけですが、だからといってその予想に大きな意味があったとは到底考えられません。

 つまり、基本的にこの相場の「予想」というやつは、そういう予想がある、そういう予想が多いという事以上の意味はほとんどないと考えておいた方がいいと思います。

 株価がどちらに動くかは事前にはわかりません。なぜかというと、未来に何が起こるかはわからないからです。まあ、こう言ってしまうと身も蓋もないのですが、実際、そうなのだからしょうがありません。

 なので、実際に株式投資を行っていく上で重要なのは、騰がるか下がるかを予想することではなくて、騰がったらどうするか?、下がったらどうするかを事前に想定しておくことです。そして、どのような状況になっても、あわててバタバタしないですむように、事前にその場合の基本的な対処方法についても考えておくことだと思われます。

 ベストのタイミングでの売買を連続して行うことはまず不可能です。それは一回や二回や三回程度、たまたまそうなるという事はあるかもしれませんが。

 ETFなどでマーケット全体に投資するのではなく、個別企業に投資する、それも特定の企業に集中して投資するような場合は、個別企業のファンダメンタルズ、同種の企業の事業の動向や株価推移についても十分に注意をはらっておく、また、自分なりに様々な方法で理解を深めておくことが重要です。

 結局のところ、株価は企業の業績、利益の動向によって左右されます。無論、過度の期待や悲観によって株価は上にも下にも行きすぎることはあるでしょうが、それは結局のところ是正され、「リーズナブル」なところに落ち着くことになります。

 そういた意味で、少しひいた、また冷めた目で、マーケットや企業の動向を見る習慣を身につけたいものだと思います。

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