柏井壽 著 小学館文庫 2024年 7月10日
鴨川食堂シリーズの11作目。
それまでの京都駅・東本願寺の近くにあった店から上賀茂神社にほど近いところに移転してからの話。
食堂の方は娘のこいしと婚約者?で回していて、その裏手にある立派な京町家が探偵事務所になっている。
そこで、元刑事の鴨川流の作るめっちゃ美味しそうな料理に舌鼓を打った後で『(思い出の)食さがし』の聞き込みが始まる。
東本願 . . . 本文を読む
戦乱の世を無くすために、一方はどんな攻撃をも跳ね返す鉄壁の楯(石垣)を積もうとし、他方は、反撃する気すら起こらないような圧倒的な矛(武器)を作り出そうとする。
石垣職人の穴太衆(あのうしゅう)と、鉄砲鍛冶の国友衆。
時は関ケ原。天下分け目の闘いのころ。
琵琶湖畔に建つ大津城を舞台に、この楯と矛とがぶつかり合う。
湖国が近いので、穴太衆のことは知っていたし、彼らが積んだ野面済みの石垣もまだ . . . 本文を読む
小路幸也 著 PHP文芸文庫 2024年 1月23日 1刷
著者のすべての神様の十月シリーズの3作目。
これ、ずいぶん前に買っていたのに、読むのがほぼ半年後になってしまいました。
積読本の一番下になっていたり、誰かから借りた本を先にとにかく読んでしまおうとしたり。
あ~でも、もっと早く読んでおけば良かった。
というのも10個入った短編集なんだけど、その中に『方向音痴は治りません』というの . . . 本文を読む
早見和真 著 ハルキ文庫 2024年 5月18日
前作の『店長がバカすぎて』の続編。
以前いた山本猛店長が宮崎の山奥の書店に移動していたのに、武蔵野書店吉祥寺店に戻ってきた。
もう、この山本猛店長の空気を読まない感じがすごすぎる(笑)
人を苛立たせる天才。
私が彼のもとで働いていたら3日と持たないと思う。大喧嘩して口汚くののしって辞めるだろうな。
もっとも、彼はどうして自分の部下たちが苛 . . . 本文を読む
京都寺町三条のホームズ 21 ~メランコリックな異邦人~
望月麻衣 著 双葉社文庫 2024年 6月15日
著者の京言葉に少しばかり違和感があるのと、『前のめりになった』という表現がやたら多く出てきて、同じ京都ものを書いている柏井壽さんの作品と比べると
だけど、せっかく京都が舞台なのでシリーズが終わるまでは読み通そうと思ってケチをつけながら読んでいる(笑)
前作20巻が、なんとなくシリ . . . 本文を読む
ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒
島崎今日子 著 文芸春秋社 2023年 6月10日
先月『石田組』のコンサートに一緒に行った友人はジュリーファン。
お互い行ってることを知らなかった大阪ドーム(当時)のタイガース復活ライブの事を話しているうちに、私も行ってたよ、って話になって以来、毎年のようにジュリーのライブがあると参戦しています(笑)
ずっと書いてるけれど、私は別にタイガースフ . . . 本文を読む
成瀬は天下を取りにいく、と、成瀬は信じた道をいくの2作を続けて読みました。
誕生日のプレゼントに、太一のとこのFC代を出してあげるという息子のありがた~いお言葉でしたが、どうせなら成瀬の2冊を頂戴、と言いました。
(FC代の方が高いんだけど)
いつもは文庫本ばかりで、この成瀬のシリーズが文庫になるころには読みたい気持ちがあるかどうか・・・ってことで(笑)
湖国は大津がメイン舞台だから、京都では . . . 本文を読む
先月からバタバタしていたら、夜になるとめっきり起きてられなくて(笑)部屋の電気を30分後に消えるようにしていても、消えた事すら知らないぐらい寝てしまう(笑)
本は完全な睡眠導入剤になっていて、積読本が増えるばかり。
雨宮兄弟の骨董事件簿 3
高里椎奈 著 角川文庫 令和6年 3月25日 初版
アンティーク・ミステリーの第3弾。
雨宮兄弟の弟、海星についての出自が、分かりそうで分からない(笑 . . . 本文を読む
知念実希人 著 実業之日本社文庫 2024年4月15日 初版
天久鷹央の事件カルテシリーズのなん作目なんだろう。
推理カルテと事件カルテがごっちゃになってるなぁ。
多分、そういう私みたいな人ように、天久鷹央シリーズを時系列で読むならこの順番!なんていうのが文庫にちゃんと挟まれていたわ(笑)
熱帯夜に凍死したと思われる男性が救急搬送されてきたところから物語は始まる。
どんな状態に陥ったら熱帯 . . . 本文を読む
柚月裕子 著 徳間文庫
松坂桃李クン主演の映画『孤狼の血』の著者だったんですね。 映画、本ともにパスしてましたが。
サクラの文字だけで2冊買ってしまって、桜の時期に読もうと思いながら、藤の季節も過ぎようとしています。
結果的に、サクラは桜では無かったわけですが。
あ、そうでもないか。 警察紋章は旭日章だけど、五角形であることから、「桜の代紋」との俗称もあるよね。
朽ちないサクラは、警察 . . . 本文を読む
小路幸也 著 集英社文庫 2024年4月19日
東京バンドワゴンシリーズ18作目になるのかな。
今はもう亡くなっているのに、成仏できず(というのか)家族らの住む家にいついている堀田サチの一人語りから始まる安定の大家族の物語。
毎年4月に文庫版の最新刊がでるけれど、単行本もこの文庫本の次の作品が4月に出版されているので、1年落ち(笑)
徐々に登場人物、相関図に書かれる人が多くなってきたけれど . . . 本文を読む
藤岡洋子 著 朝日文庫 2024年 4月30日 第1刷
第9回の京都本大賞受賞作。
すっごく良かった。 私の好きなジャンルなんだと思う。
婚約を機に、東京での仕事も止めて、婚約者と彼の実家のある京都に来た美咲。
婚約者の和範も東京での銀行勤めをやめて京都に戻ってきた。
和範の家は飲食業だと知らされていた美咲は、婚約者の実家が和風レストランや土産物店、老舗旅館の経営まで手広くやっていると分 . . . 本文を読む
澤村御影 著 角川文庫 令和6年 3月25日 初版
高槻准教授と、深町尚哉の2人による民俗学ミステリーの第10弾。
幼い頃、行方不明になっていた高槻彰良の事件と同じような事が再び起こり、なんとなく謎が解き明かされる・・・かも知れない(笑)という展開と、その章以前の、民俗学講義の2本立て。
今までも割と身近な怪異が出てきていた。
トイレの花子さんとか、口裂け女とか。
だいたいは見聞きしたこと . . . 本文を読む
先日、源氏物語ミュージアムに行って、一番最初に宇治十帖のダイジェスト版?のミニミニ映画を見るように誘導されました。
源氏物語は田辺聖子さんの訳で読んでいたものの、続きの宇治十帖のくだりが非常に曖昧で、ひょっとしたら読んでないんじゃないか?と思ったほど。
で。
宇治十帖のところだけ、文庫本を2冊買ってきて再読しているんですが、そもそも登場人物が多すぎる(笑)
この人は誰だっけ? 官職は何だっけ? . . . 本文を読む
知念実希人 著 実業之日本社文庫 2024年 2月15日
天久鷹央の推理カルテ
著者が現役医師だけあって、やっぱり病院内部の事は詳しい。
MRIに吸着事故が起きるなんて知らなかった。
天久鷹央の学生時代の師でもある御子神氷魚の死をめぐる推理物語。
天久鷹央も御子神氷魚も、ギフトと言われる並みはずれた頭脳をもった天才なんだろう。
保ってあと1年もあれば・・・と鷹央に診断されている氷魚が . . . 本文を読む