38年も前に憧れた、職場の先輩に思いがけずお会いできた。
気持ちは当時のままだった私。
緊張と、嬉しさと、それと、それと・・・
背筋をピンと伸ばして、颯爽と肩で風を切って歩く、
スーツのとても似合う、
博学で、常に前向きで、勉強家の人だった。
だが、”38年の時間” は実に残酷だった。
夢にまで見たその人は、目の前にいたその人は、
生活に疲れ、仕事に疲れ、人生に疲れきってしまったようだった。
60歳を、自分の人生の いくつめの転機とするかは人それぞれだが、
私、その年になる時には、今より元気で明るく生きていたい。
そう考えてしまった、再会の瞬間だった。