今まで、岡本太郎といえば「太陽の塔」と「芸術は爆発だっ!」しか知りませんでした。というよりも、知りたいと思わなかったと言ったほうがいいかもしれません。それが、この本を読んでから見方がまるで変わりました。「芸術は爆発」も、ただの思いつきで言っているわけではなく、深い洞察力に裏打ちされたものだったのですね。
「
沖縄文化論」 岡本太郎:著 毎日出版文化賞受賞
東京で初めて見た琉球舞踊に魅せられ、沖縄の友人から誘われたのをきっかけに著者が沖縄への旅を思い立つのは、1959年のこと。まだ沖縄はアメリカ統治下で、日本は高度成長期の初期段階。軽い気持ちで沖縄へ旅立った著者を待ち受けていたのは、それまでの固定観念を根底からひっくり返すような、オキナワでの事象。
パリのソルボンヌ大学で民族学を学んだ著者が、沖縄の文化を探し求めているうちに気がつくのは、日本の“無”の文化と、西洋の“物”の文化の違い。そして、これからの日本が西洋の真似をして“物”を追い求めれば、必ず崩壊するであろうということ。
こう書くと、なんだか難しいようですが、実際に書いてあることはとても分かりやすくユーモラスです。
例えば、沖縄に到着した著者が友人との待ち合わせの場所へ行くと、2時間経っても友人は現われない。イライラしている著者の前へ、まったく悪びれることなくニコニコ笑って再会の喜びを全身に表した友人が登場する。そこで、「この友人の姿こそ人間として本当の姿ではないか」と思い至ると、著者は妙に嬉しくなってしまうのです。
あの川端康成をして「これを読んで沖縄に行きたくなった」と言わせ、三島由紀夫をして「この作品にこそ賞を与えるべきだ」と言わせた文章力。よい文というのは、小手先の技術ではなく、伝えたいという強い気持ちなんだなと改めて思いました。読み始めると2~3ページでTaro Worldにグイグイ引きこまれます。岡本太郎ってスゴイ!
著者が強く惹かれ、再訪する「神々の島・
久高島」
「明日の神話」
再生プロジェクト 公開 7月8日~8月31日(汐留日本テレビ)
岡本太郎記念館 青山の住宅街の中にある不思議空間
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