昨年、ブログにアップした 『万引き家族』 をコピペします。
小説を原作にした映画を見ると、違和感を抱いて落胆することが多い。
読者が活字の行間を想像で埋めた人物像や情景に、
映像の描写が追いつくことは難しいからだろう。
(熊日新聞・新生面から)。
全くその通りです。
原作を超える映画に、なかなか出合えません。
話題の 【万引き家族】 是枝裕和・監督を見てきました。
原作無しの映画だそうですが、是枝裕和・監督がこの映画を本にしています。
是枝監督が自ら描く、映画では語り尽くせなかった【家族】の在り方を本にしたと、
本の帯に書いてあります。
万引き家族・・本 (是枝裕和・著)
この本を読んで、映画を見てきました。
本の帯・裏面。(上の画像)。
是枝監督が自ら描く、映画では語り尽くせなかった『家族』の在り方。
本の帯:表面。(上の画像)。
本の中にも出てくるシーンです。 胸が熱くなります。
では、映画の感想です。
本を読んでから、映画を見てきました。
本の内容そのままの映画でしたが、読者が想像で埋めた情景・・・・・?
ここまで悲惨な住宅の情景は想像していませんでしたね。
高層マンションの谷間に、一軒だけ取り残された戸建て住宅、
高層マンションの影で、陽も当たらない一軒の戸建て住宅、
夜空に花火の音だけしか聞こえない一軒の戸建て住宅・・・・・・・・・。
押入れの中で、ヘルメットに付いているヘッドランプの灯りで食事をし、本を読む・・・・。
いろいろ想像はしていましたが、これほどまで凄まじい戸建て住宅だったとは・・・・・。
さてさて、本を読んでいましたから、
登場人物の家族構成、人間関係は分かっていましたが、
男の子が警察に捕まってから、この映画が始まったと思いました。
評価の低いユーザーレビュー を見ると、途中で出たとか、寝てしまったとか、
ひどい映画だとか、さんざんですね。
男の子が警察に捕まってから、やっとこの映画が始まるのです。
家族の在り方じゃなく、『人間愛』 の映画です。
『人間愛』 が消えてしまった今の日本に警鐘をならす映画です。
この映画の評価が高いのは、人間社会から 『人間愛』 が消えてしまったからです。
この消えた 『人間愛』 を取り戻そうと訴える映画です。
万引き家族を見て、『人間愛』 を取り戻しましょう~!
映画の最後のシーンに、リンちゃんがベランダに置いてあるビールケースの箱に乗り、
手すりにつかまり、遠くを見るように背伸びをします。
その瞬間、スクリーンが真っ黒になります。
映画はここで終わりでしたが、あの真っ黒のスクリーンに、
『人間愛』 の文字を入れれば完璧でしたね!!
真っ黒になったスクリーンに、白い文字を浮き上がらせる、完璧なジ・エンドです。
真っ黒に白い文字、パソコンで出来ません。
出来たのは白いスクリーンに赤い文字です。(笑い)。
今日の観客は男性3名、女性12~13名ぐらいでした。