唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
Carl Zeiss(カール・ツァイス)
何故かCG(Car Graphic/世界で最も優れた月刊のクルマ雑誌)の今月号にカール・ツァイスの記事が掲載されている。
CG誌2007年12月号の128頁。現物のレンズは、郷秋<Gauche>が唯一所有しているCarl Zeissブランドのレンズ、Planer T* 1.4/50mm ZF。
「ドイツの美意識」という特集の中で、Carl Zeissが取り上げられたわけだが、この記事を書いた高島鎮雄氏はクラシック・カーに深い造詣をお持ちの一方(小林彰太郎と共に「カーグラフィック」(後のCAR GRAHIC)を創刊したと言えば、どれ程の方かわかるだろう)、クラシック・カメラの菟集家としても知られている。いかにもこの高島氏を擁するCGらしい記事である(既に現役ではないが)。
さて、この記事を読み、Carl Zeissが会社ではなく、財団組織であることを郷秋<Gauche>は初めて知った(Carl Zeiss財団の傘下にCarl Zeiss社という天体望遠鏡や顕微鏡などを製造する会社は存在する)。カール・ツァイスの共同経営者であり、近代光学理論の大家であったエルンスト・アッベの「企業は徒に利益を追求するのではなく、社会に貢献し、従業員の福利に資するべきである」という理念に基づいて、カール・ツァイスの死後、半ば強引に財団組織とされたのだという。
ただ、この記事には問題が一つある。上に掲載した紙面に登場しているレンズは、1本を除きNikon Fマウントを持つZFレンズのようだが、これらのレンズはCarl Zeissによって製造されているのではなく、日本のコシナが製造しているのである。確かに129頁の写真のキャプションの中で、「日本でも生産されるツァイス・レンズだが」と記されてはいるが、Carl Zeiss提供とされている写真に写っているレンズは、郷秋<Gauche>も持っているPlaner T* 1.4/50mm ZFを含め、すべて日本のコシナ製であることを、ここに記しておきたい。
ここで詳しくは書かないが、Nikon Fをはじめとする日本製カメラとの戦いに敗れたツァイスは1971年にカメラの製造から撤退する。それから30年を経て、ツァイスの名を冠したレンズが、日本で生産されるようになるとは、なんとも皮肉なことであるが、それほどまでにツァイスのレンズが物理的性能と情緒(美)的性能に優れ、かつ強いブランド力を持っていたということなのである。
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「ドイツの美意識」という特集の中で、Carl Zeissが取り上げられたわけだが、この記事を書いた高島鎮雄氏はクラシック・カーに深い造詣をお持ちの一方(小林彰太郎と共に「カーグラフィック」(後のCAR GRAHIC)を創刊したと言えば、どれ程の方かわかるだろう)、クラシック・カメラの菟集家としても知られている。いかにもこの高島氏を擁するCGらしい記事である(既に現役ではないが)。
さて、この記事を読み、Carl Zeissが会社ではなく、財団組織であることを郷秋<Gauche>は初めて知った(Carl Zeiss財団の傘下にCarl Zeiss社という天体望遠鏡や顕微鏡などを製造する会社は存在する)。カール・ツァイスの共同経営者であり、近代光学理論の大家であったエルンスト・アッベの「企業は徒に利益を追求するのではなく、社会に貢献し、従業員の福利に資するべきである」という理念に基づいて、カール・ツァイスの死後、半ば強引に財団組織とされたのだという。
ただ、この記事には問題が一つある。上に掲載した紙面に登場しているレンズは、1本を除きNikon Fマウントを持つZFレンズのようだが、これらのレンズはCarl Zeissによって製造されているのではなく、日本のコシナが製造しているのである。確かに129頁の写真のキャプションの中で、「日本でも生産されるツァイス・レンズだが」と記されてはいるが、Carl Zeiss提供とされている写真に写っているレンズは、郷秋<Gauche>も持っているPlaner T* 1.4/50mm ZFを含め、すべて日本のコシナ製であることを、ここに記しておきたい。
ここで詳しくは書かないが、Nikon Fをはじめとする日本製カメラとの戦いに敗れたツァイスは1971年にカメラの製造から撤退する。それから30年を経て、ツァイスの名を冠したレンズが、日本で生産されるようになるとは、なんとも皮肉なことであるが、それほどまでにツァイスのレンズが物理的性能と情緒(美)的性能に優れ、かつ強いブランド力を持っていたということなのである。
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