ベーゼンドルファー、売却へ

 スタインウェイなどと共に、ピアノの名門と言われるベーゼンドルファー(オーストリア)が売りに出されているそうです。数日のうちにも売却先が決まる見通しだということですが、日本のヤマハも有力候補の一つとして、名前が挙がっているとのこと。

 スタインウェイ(ニューヨーク)がジャズ演奏などでも使われる事が多いのに対して、ベーゼンドルファーはクラシック専用(オスカー・ピーターソンがベーゼンドルファーを弾いていたような記憶もありますが)ですが、郷秋<Gauche>は10年ほど前に、ベーゼンドルファーのフルコンサートピアノ調整の場に居合わせた事があります。

 ちょうど鍵盤ユニットを外してハンマーの調整をしているところでしたが、調律士がハンマーアクションについて、ハンマーを動かしながら説明をしてくれましたが。普段は見ることの出来ない精密で素晴らしい機能美に溢れたハンマーアクションに驚いたものでした。

 私が見たベーゼンドルファーのフルコンサートピアノは低音側を長6度低いハ音とした、97(8オクターブ)の鍵盤を持つタイプでした。通常は使わないその低音部の鍵盤は、間違わないように白鍵と黒鍵の色が逆になっていました。

 さて、この名門ベーゼンドルファー、いったいどこが買い取ることになるのでしょうか。いずれにしても闇雲に増産に走るのではなく、その伝統をしっかり引継ぎ、大切に育てていって欲しいものですね。

昨日の箱根。宮ノ下辺りでもこの程度の色づき。

日本のクラシックホテルの代表格、箱根富士屋ホテル。

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