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「考える人」2008年冬号

 
 新潮社の季刊雑誌『考える人』の2008年冬号が28日に発売になった。創刊以来の読者である郷秋<Gauche>は、いつ廃刊になるかとハラハラドキドキであるのだが、今号が通巻第23号。余り儲かる雑誌には思えないけれど、季刊誌で23号まで出たんだから、そろそろ定着したと言ってよいのかも知れないな。

 さて、『考える人』2008年冬号の特集は、「さようなら、こんにちは 河合隼雄さん」。河合氏は養老孟司氏らと共に『考える人』創刊当時から盛んに登場している「キーパースン」だから、『考える人』が追悼特集を組むのは良くわかる。しかしだ、本文207頁の内、104頁を追悼特集のために割くというのも、結構すごいじゃないか。河合氏のファンなら3冊くらい買ったかも知れないけれど、そうじゃなければ、今号は立ち読みで済ませてしまうのではないだろうか。

 巻頭のグラビア、今森光彦さんの「琵琶湖水系の旅」はいつもながらすごい。何気ない一枚なんだけれど、琵琶湖と琵琶湖を取り巻く自然に対する愛が滲み出ている。技術的にも、何でもないようでそれでいて毎回、「恩田の森もこんな風に撮ればいいんだ」って、大いに参考になる。

 郷秋<Gauche>的今号の注目の記事は、「娘と私」かな。イラストレイターのさげさかのりこさんが、お嬢さんの「ハナちゃん」と日々を優しく綴ったエッセイ。もう連載の14回目だから随分と読んでいたわけだけれど、これまでは「さらり」と通りすぎていた連載も、今回はそうは行かず。一大事。「ハナちゃん」が、なんと嘘をついたのです。嘘をつけるほどに成長した我が子を見る優しい眼差し。日々の生活で、忘れていた大切なものに気づかされる思いです。

のさげさかのりこさんのWebsiteとblog
  Website「紙とペン」
    http://www.geocities.jp/sagesakanoriko/index.html
  blog「畑の日記」
    http://oiur.blog69.fc2.com/

季刊誌「考える人」2008年冬号はただいま発売中
B5判 定価1,400円(税込み)新潮社
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