村上春樹氏は決してファンを裏切らない

 腰巻(帯とも云う)に書かれた「心を世界につなぎとめておくための営みだった。」
 村上春樹氏の新刊の帯に書かれた21文字で、21文字だけで、この本を読まずとも、この本の98%を理解することが出来る。もっと云えば、21文字ではなく「つなぎとめておく」の8文字だけでも十分理解が可能である。

 村上春樹氏は決してファンを裏切らない。この新刊には、「羊を巡る冒険」で氏が確立した「村上春樹ワールド」が間違いなく展開されているのだ。「水戸黄門」か、あるいは「フーテンの寅さん」か、はたまた「遠山の金さん」か。いずれにしても、寸分違わぬ「村上春樹ワールド」が展開されていることが、たった8文字で理解できてしまうのが良いのか悪いのか。

 はい、読ませて頂きますよ、勿論。だって、ファンですからね。内容も読後感も半ば判っていても、それでも読みたくなる、それが村上春樹氏の作品です。そう云う意味では「1Q84」はちょと(だけ)新鮮ではあったけれど、今度のこれには「新鮮」や「驚き」は無いだろうな。と云う思いが裏切られることを期待しつつ、ページを繰り出すとしよう。


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