7日間で8刷、計100万部

 こんなに売れる本は、彼の作品以外には有り得ない。


 今日の、親愛なる神奈川新聞に、「村上さん新作100万部」と云う記事を見つけた。その記事は文化面ではなく社会面にあった。本にまつわる話題は、フツーは文化面なのだが氏の作品の場には、もはや社会現象だとして社会面に掲載されたと云う事なのだろう。

 件の記事によれば、予約が多かったことから発売前から増刷が始まり発売日時点で50万部。その後も増刷を重ね、12日の発売から7日目にして8刷100万部を達成したとの事。版元の文藝春秋によれば、文芸書としては最速の100万達成なのだそうである。

 発売日に入手してから、もう一週間が経っているのだが「遅読」の郷秋<Gauche>はまだ読み追わっていない。読み終わったら「感想文」でも書いてみようかと思ってはいるのだが、何分にも読み終わっていないので書きようもない。と云いながらもちょろりと(^^)

 今回の主人公は、料理は得意ではないし、酒も余り好きではないが、泳ぐのは好きだ。村上氏の作品の常で、異常なまでに早熟な人物(今回は大学1年生)が登場する。同様に主人公(つまり多崎はつくる)は何かを失い、そして失い続けている。これが氏の根源的テーマなのである(未読部分で「取り戻す」があると新鮮なのだが)。

 肝心な時に十分な硬さに達しない。そして「そういうの気にしちゃ駄目よ」と慰められる。いつもの事だ。以前郷秋<Gauche>は氏が比喩の天才であると書いたが、その天才振りが少し後退しているように思える。いや、より洗練された結果、これまで200文字必要であったところを100文字で十二分に表現できるようになったと評価すべきか。

 最初にご覧いただいた今日の一枚は、郷秋<Gauche>の手元にある「色彩を持たない・・・」が一刷であると云う証拠写真。郷秋<Gauche>的にはそうした事にはたいした興味はないし、一刷だけでも何十万部もあるのだろうからまったく意味もないことではあるけれど、まぁ、一刷だと云う事実の証拠写真である。

 以上、中間報告。

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