リコーはペンタックスなのか?

 「リコーはペンタックスなのか?」

 この日本語はどう考えてもおかしい。二つのカメラ(精密機器)メーカー名(ブランド名)を人の名前に置き換えれば「鈴木さんは佐藤さんなのか?」。あるいは自動車メーカー名に置き換えれば「フェラーリはアストンマーティンなのか?」。しつこいようだけれど大学名に置き換えれば「慶應義塾大学は早稲田大学なのか?」となる訳で、どう考えてもおかしな日本語であることが解る。

 しかしだ、今日、RICOH(リコー)から発表になったGR DIGITAL IVの後継機、GRを紹介するWebPageのURLはhttp://www.pentax.jp/japan/products/gr/であり、ご丁寧に画面左上には、”PENTAX A RICOH CAMPANY”と書かれている。おまけに新しいGRを真正面から捉えた写真を見る限り、どこにもRICOHとは書かれていない。まっ、これはGR DIGITAL時代からの伝統でもあるのだが。

 日本語としてはいささか変ではあるが、「ペンタックスはリコーなのか?」と云うセンテンスは、実は成り立つ。それは、ペンタックスがリコーの子会社となっているからである。だから、ペンタックスはリコーなのではあるが、リコーはペンタックスではないはずである。それなのに、GRがあたかもペンタックスの製品であるかのようなURLの、ブランド名が書かれたページで紹介されているのは解せない。

 これは遠くない将来、RICOHのカメラはすべてペンタックスブランドとなることをそれとなく予告していると理解するのが良いのかも知れない。初めて買ったSLRがPENTAX SPである郷秋<Gauche>にとってペンタックスは憎からぬブランドであるし、RICOHもまた好きなブランドだから、なんだか複雑な気分ではある。


 と云う訳で今日の一枚は、いかにも安っぽいプリントではあるけれど、ボディ本体にはRICOH、レンズにはRICOH ZOOM LENSと書かれている、既に絶滅してしまったRICOHのコンパクトカメララインナップの最後から二番目に位置するCX5。

blog:恩田の森Now(先週末は休載となりました。次週に乞うご期待)
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