唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
Nikon Photomic FTNバラバラ事件
Nikon Fシリーズをお使いの方には見慣れた風景だと思いますが、ご存じない方は、びっくりされるかも知れませんね。一眼レフ(SLR)はレンズの脱着・交換が出来ることはご存じの方は多いいことと思いますが、ファインダーと裏ぶたの脱着・交換が出来ることはご存じないかも知れません。
レンズやファインダー、裏ぶたの脱着・交換は、目的や状況に応じで最適な状態で撮影することを可能とする工夫です。そもそも元祖「F」登場時点ではそのようなSLRは無かったはずですが、ニコンは当初からFシステムの拡張性考えていたのでしょう。
特にファインダー脱着・交換は1959年の登場時点では技術的な問題から実現することができなかったTTL(through the lens)測光式の露出計を搭載することを想定していたのだと思います。しかしTTL測光技術は難しく、Fの発売から6年が経過した1965年になってようやく「フォトミックT」が登場します。
このところ度々ご覧頂いているフォトミックFTNは、中央部重点測光のTNの改良型として1968年に登場しています。絞りリングを一往復させることでレンズの開放F値をセットできる、所謂「ガチャガチャ」が搭載されレンズ交換時の操作性が向上しました。
そうそう、びっくりなのは裏ぶたの脱着ですね。F2以降は裏ぶただけの取り外しですが、Fの場合は裏ぶたと一体になった底板までが外れますので、これを外したボディーはほとんど丸裸のような状態になってしまいます。ちなみに、レンズは勿論ですがファインダー、裏ぶたの脱着にも工具は必要としません。それでいて「ガタ」はまったくないと云う、素晴らしい工作精度を有している、当時世界最高峰のSLRと云われたニコンFなのです
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