冬来たりなば春遠からじ

 冬来たりなば春遠からじ。
 寒い冬はその後にやってくる春を思いながら耐えるもの、辛い今を耐えてこそ努力が報われ佳き日々がやってくると云う、日本の古くからの格言かと今の今まで思っていたのですが、さにあらず。

 イングランドの詩人、パーシー・ビッシュ・シェリー(Percy Bysshe Shelley、1792年8月4日 - 1822年7月8日)の長詩「西風に寄せる歌」の最末尾にある
If Winter comes, can Spring be far behind ?
を上田 敏(うえだ びん。1874(明治7)年10月30日-1916(大正5)年7月9日)が訳した言葉であるといことを知ったのです。

 自然の成り立ちにあっても、悩み多い人生にあってもその起伏を見事に云い得た名句であるなぁ。

 と云う訳で今日の一枚は、黄葉する傍ですでに早春に開花する花の芽が用意されている木五倍子(きぶし)。人生の辛い時期に、程なく花開く蕾を見て確かめることができるのであれば辛抱もできようが、多くの場合それを見ることができない。だから挫折もする。それに引き換え木五倍子は実に分かりやすい「冬来たりなば春遠からじ」である。

 blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは12月1日に撮影した写真を7点掲載いたしております。穏やかな初冬の森をご覧いただければ幸いです。

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