校正・校閲、そして本のカバー




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2枚目は https://anonima-studio.stores.jp/items/674d72b27e6f35022fbd606e より

 郷秋<Gauche>のblogにミスタイプ、誤字脱字が多いのはご存知の通りです(気が付くたびにこっそり修正してはおります)。この本を読んだからと云って誤字脱字少なくなるのかと云えばそんなことはまったくないのですが、以前から書籍の校正・校閲に興味があましたので読んでいる次第です。

 校正・校閲の技術に関する内容ではなく、いろいろな分野における校正・校閲の専門家にインタビューをして、それぞれの分野における特徴やご苦労をまとめた内容です。校正・校閲と聞くとまずは「書籍」を思い浮かべる訳ですが、文字があるすべての場所に校正・校閲がありそれぞれに面白い話が出てきて興味が尽きません。

 近頃、Web上の記事を読んでいると2、3年前までは余り目にしなかった妙な誤字=誤変換に気がつくことが多くなりました。明らかにAIに翻訳させた、書かせた、あるいは音声入力で書いた(書いてもらった)記事が校正・校閲なしでそのままWeb上で公開されているような印象を受けます。Web上の情報は後追いでの修正が可能なために校正・校閲が軽視されているのかも知れません。また、考えてもみれば当然のことなのではありますが、テレビのテロップも送出される前には校正・校閲の過程を経ているんですね。時間との戦いのために独特のテクニックもあるようですが。

 ここで一つご注意。「校正・校閲」と一括りにして書いていますが、本来校正と校閲はまったく別なもの。ですが、原稿がWordなどのデータで入稿される今、著者の手書き原稿見ての(ジョバンニが学校帰りにしていたような)活字の拾い間違いや写植の打ち間違いは有り得ず、誤字脱字の原因はすべて著者の責に帰す訳ですから、現在は単純な文字校正ではなく「校閲」がその仕事の中心になっているものと思われます。

 で、ここからは書籍のカバーのお話。郷秋<Gauche>のblogにはその日の話題に沿った写真を一枚添えている訳ですが(写真に沿った話題の日もあり)、今日の一枚を撮ってみての大きな疑問。お気づきになりましたでしょうか、郷秋<Gauche>が今宵読んでいる「校正・校閲11の現場」の間の抜けたカバーに。

 どう考えても写真と文字が上に行き過ぎていてアンバランスなのです。それを誤魔化すために下の方に小さく「anonima. st.」と小さく版元の名前が入っています。

 なぜ、こんなアンバランスなカバーになってしまったのか。その原因は簡単で、「腰巻」です。腰巻と云う言葉が憚れるのならば、紙帯・帯紙・腰帯・袴です。腰巻は書籍が書店の店頭に並んだ時にカバーの写真やデザイン、文字だけでは伝えきれないその本の魅力や内容の補足情報を記したものです。

 現在では多くの本がこの「腰巻」が巻かれた状態で店頭に並びますから、カバー(装丁)をデザインする際にも腰巻が巻かれた状態でのカバーをデザインする訳ですね。

 一冊の本を作るためには著者だけではなく多くの専門家が関わる訳ですが、本のカバー(表紙)はその中身の次に大切な要素。そのカバーを作る「装丁家」と呼ばれる方がおられるのですが、昨今のそのお仕事はストレスに満ちたものではないかと想像するところです。

 装丁家は一冊の本の顔を存分にデザインしたい。でも出版社からは営業上の理由から腰巻付きでのデザインを要求される。ジレンマですよね。と、勝手に想像して書く郷秋<Gauche>。

 今では腰巻だけでは足りずに書店員さん一押しの本には「POP」と呼ばれる小さな看板が立てられています。近頃ではそのPOPが評価されたり、そのPOPを書いた書店員さんが表彰されたり、そんなこともあるようです。

 ネット書店で購入する場合には余り関係のないことではありますが、そんなPOPを読みながら書店店内をうろつくのも本の楽しみの一つです。だから郷秋<Gauche>は、本はネットで買うことが多いのですが、本の情報は新聞の書評欄と実店舗の書棚の間を歩いて仕入れております。本は読むことだけが楽しいのではなく、読むべき本を見つけるために書評を読み、書店の本棚の間を徘徊するのも楽しみの一つだと思うこの頃です。

横浜市青葉区の住宅地の中に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影・掲載しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは2月8日に撮影した写真を4点掲載いたしております。浅春の訪れを思わせるようになった森の様子をご覧いただけましたら大変嬉しく思います。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori/e/c7b7b29a4e4be0f3d96bbd3b8b110d69

To the author of this page: gaucheadgc(at sign)gmail(dot)com
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