弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

裁判

2012年04月26日 | 弁護士の仕事 あるべき姿勢

訴訟は実際に法廷にいってみなければ、どのように進むか
分からないときがあります。
今日の相手は、うんざりでした。

うんざりすると本当に疲れます。
最近は、できるだけ疲れないようにしています。
変な言い方かもしれませんが、意識することで、大分、違うような気がします。
多分、気持ちの切り替え、気分の切り替えができるかどうかなのだ
思います。
できる限り気分に左右されないようにするということです。
特に意識せずとも、できる人もいると思いますが、
私は気分に完全に影響を受けるタイプですので、
意識して訓練していくしかありません。

今日は何とか、うんざりが尾をひくことはありませんでした。

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オランダには国際的な裁判所があります。
判事ディードの法の聖域で刑事裁判所が舞台になったことがありました。
BBCでヘーグの裁判所の紹介がありました。
懐かしくなりました。ここをどうぞ

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いよいよ小沢判決があります。
裁判所がどのような事実認定の仕方をするのか、が一番の関心事です。


就職難の弁護士のための就職支援企業について

2011年11月08日 | 弁護士の仕事 あるべき姿勢

民間の弁護士支援企業が11月1日から営業を開始したとの
ニュースについて(日経7日付)

背景には弁護士の就職難があるとのこと。
司法試験の合格者を増やす政策の結果、裁判官、検察官の
採用数にはそれほど変化がないので、結局は弁護士増になる
だけで、それは当初から予想されていたことです。
ところが、10年余りが経過して、弁護士の就職難が言われるように
なっていましたが、とうとう、就職先未定が35%にもなり、
2年前に比べ3倍弱になったということです。

そこでいきなり独立する弁護士や、法律事務所に就職せずに、
机や電話だけを借りる「ノキ弁」が多くなっているということです。
しかし、卒業はしても実務は全く知らないので、それを支援する
というわけです。

入会金は21万円で、月会費が5万2500円かかるらしいです。

しかし、弁護士は弁護士会に毎月会費を払わなければいけないのですが、
3~5万円はするのです(弁護士会によって若干異なります。
また最近は新人は大幅減額があります)。

仕事がなければこれだって大変な負担です。
それ以外に、5万以上の会費を払うとなると、ざっと月10万円です。
減額を考慮しても7~8万円になります。
仕事のない弁護士がそんな大きな額を払えるとは思えません。

そもそも実務は具体的な仕事をしながら覚えるものです。
ただ形式的に法的書類の書き方など覚えても実戦向きではありません。

書き方というよりは、事実をいかに料理するかの方が重要です。
それによって、自ずから書き方も異なってきます。

むしろ、最近気になるのは、若い弁護士さんに、脅しのようなやり方
が目につくようになりました。
ごり押しです。理屈もわからず、一方的で身勝手な主張を押し付ける
のです。こちらの方が心配です。
例によって、話がそれますが、アメリカでニューヨーク州の検事局勤務の
女性検事補がS&Mパーティーでアルバイトしていたとして辞任を迫られた
ケースがありました。9月に発覚10月に辞任です。
お金を取っていたかどうかは別にして(本人は否定)、S&Mの女王役を
していたことは事実で本人も認めています。
ドレスアップをした写真すら公表しています。
それについて、私生活でこういう女王役をしたことが、法律家としての
大きな成功につながっていると思うと述べていました。
なお、彼女、3年前の証券詐欺事件で、バンク・オブ・アメリカほかの金融機関
から50億ドルの和解金を支払わせる和解を成立させるほどの凄腕
とかで、当時の上司ニューヨーク州法務長官(現知事クオモ)からお褒めの
言葉をいただいていたのです。
S&Mの女王役のアルバイト?が役にたったというのは、脅し方、支配の
仕方を心得ていたということかも???そして大成功したというのは
この事件のことかも??と勘ぐっています。

脅し方?がうまくなると結構仕事もうまくいくことはあるのです。
ただし、これも限界があります。

弁護士の質が落ちてもっとも被害を受けるのは、一般消費者です。

司法改革制度をもう一度見直す必要があると思います。
必要な改革とそうでないものの仕分けが絶対に必要です。
つまらない仕分けより、こういう仕分けこそ重要です。
そして、裁判所や検察庁こそ、もっと改革すべきです。
その場でもっと議論をする、何を考えているのかが、外からわかるように
すべきです。
書面だけ出させて、こそっと決めてしまうなどの
書面主義は絶対に改善すべきです。

私は書類の作成の仕方というよりは、事実認定の仕方や
問題点、論点をいかに発見するかとか、そもそも法とは何かなど
基本的根本的事柄についての考え方を教えることの方が
もっと重要と思います。

さて、どうなるのやら、見守っていきたいとは思います。


書類の検討など熟慮のとき

2011年10月27日 | 弁護士の仕事 あるべき姿勢

今週も引き続き、弁護士業で多忙です。

本を出版したおかげで、知らない人からメールや電話をいただき、
また改めていろんな弁護士やいろんな仕事のやり方があることを
知りました。
それなりに世間を知っていたつもりですが、
実際は、世間知らずだったないうのが実感です。

今週は、記録を引っ張り出し、もう一度全部を見直すこと過ぎてしまいました。

事件というのは一つで終わらず、続いていくつか起こるものです。
1年とか2年経つと細かなことも記憶が薄くなります。
また、以前にはどうでもよかったものが、事件の進展で、意外に
重要だったり、大きなヒントになったりします。

そういうことで、今週は、書類に囲まれて、どう料理するか熟慮しています。
熟慮しながら、パソコンに向かい、またいい考えが浮かんで、書類に戻りと
行きつ戻りつしています。
何でもそうですが、書き始めると、思いもかけないようないい考えが浮かんでくる
のです。

みなさん、L&O見ていただいていますか。
私は裁判や争いというものは、始まってからも動いている、生き物のようだ
と、いつも言っていますが、
L&Oを見ていると、そのダイナミズムが良くわかると思います。
これは刑事事件だけでなく、民事でも同じなんですよ。
だから、弁護士の力量が決定的なのです。

ということで、今週の前半は、目いっぱい頑張りました。

ということで、ニュースについてのコメントは今日のブログではありません。

なお、これを書いている途中に中国のラテックスの枕の記事をみたということで
ご心配されて電話をいただきました。
経験談をお伝えしました。
ブログの記事がお役に立てたとしたら、本当にうれしいです。

ちょっと遅い帰りとなりました。


仕事の波 気分爽快

2011年10月21日 | 弁護士の仕事 あるべき姿勢

プロの仕事術というのはいつもコンスタントであるというわけ
ではないと思います。

職種によって異なるでしょうが、それぞれに特有な繁忙の波は
ありはずです。

それとは別に生活のリズムに近いような仕事のリズムもあるはず
です。

昨日、今日と順調に仕事が進んでいます。
懸案ややりかけの仕事などが一気に片付いています。

今日はとても気分が爽快です。

こんなときは、どんな難しい仕事でも楽々とこなせそうな気になります。

こういうときは夜、化粧を落とした顔でもとても生き生きして
自分でもうっとり?です。

リビアのカダフィが死亡しました!!


プロの仕事術

2011年10月14日 | 弁護士の仕事 あるべき姿勢

随分前に、美容業を経営していた依頼者がいましした。
みずからは美容師ではありません。
経営だけです。念のため男性です。

弁護士と依頼者ですが、最初のころは依頼を受けた事柄に関する
打合せが中心です。
しかし、事件が進行するにつれ、特に裁判になったりすると
依頼者とともに出頭することが多くなります。
裁判所というのは、しばしば待たされるものです。
前の事件が長引くなど日常的なことです。
というわけで、時間つぶしというのも変ですが、
待ち時間には事件とは関係のない雑談をすることになるのです。

そういうときに、「卵型になるように髪形を整えてあげていたんですよ、
それが評判で随分繁盛していたんですよ」という話をしてくれました。
確かに美人に見えます。
きれいに見えるように髪形を整えるというのは美容院なら当然ではないかと、
当たり前のことをどうしてと、その時は思いました。

でも、実際には、こういうやり方をしている美容院は少ないと思います。
大抵の美容院は、その人の頭の形通りに仕上げるのです。
頭の恰好がいい人の場合はそれでもいいでしょうが、
私などは、天辺がペタンコ、後頭部もペタンコですので、
いくらセットがきれいにできても、カッコ良くはないのです。
もちろん、注文は付けるのですが、天辺だけ、後頭部だけ
をふっくらとはしてくれないのです。
全体的にふっくらとさせるだけなんです。
ということで、私はあまり美容院にはいきません。
(どうでもいいことですが)

良く考えてみれば、弁護士の仕事も同じです。
依頼者の言うことを良く聞くけれど、それだけという人は多いです。
そして依頼者のいうままに、ただ裁判所に伝えるだけ・・・
でも、弁護士の仕事は、依頼者の話を聞いて弱いところ、
強いところを見抜くこと、
そして、理想型と比べて、できるだけ理想型に近づくよう、足りないところ
を補充できないかなどを事実を見ながら考えることです。
つまり、到達点にからみて足りないところをどうするかということです。
到達点について明確な意識を持つと足りないものは何かも
はっきりと把握できるのです。
足りないものが何かがわかれば、それをどうするか、何か方法は
あるのかが考えられます。
明確な到達点がないと、何が不足しているのかすら、思いいたる
ことはないのです。

プロの仕事というのは、美容師であれ、弁護士であれ同じだと思います。

アップルのスティーブ・ジョブズのアイパッドやアイフォンが世界の
人たちの心を捉えたのも、作りたいものについて明確な意識があった
からだと思います。