民間の弁護士支援企業が11月1日から営業を開始したとの
ニュースについて(日経7日付)
背景には弁護士の就職難があるとのこと。
司法試験の合格者を増やす政策の結果、裁判官、検察官の
採用数にはそれほど変化がないので、結局は弁護士増になる
だけで、それは当初から予想されていたことです。
ところが、10年余りが経過して、弁護士の就職難が言われるように
なっていましたが、とうとう、就職先未定が35%にもなり、
2年前に比べ3倍弱になったということです。
そこでいきなり独立する弁護士や、法律事務所に就職せずに、
机や電話だけを借りる「ノキ弁」が多くなっているということです。
しかし、卒業はしても実務は全く知らないので、それを支援する
というわけです。
入会金は21万円で、月会費が5万2500円かかるらしいです。
しかし、弁護士は弁護士会に毎月会費を払わなければいけないのですが、
3~5万円はするのです(弁護士会によって若干異なります。
また最近は新人は大幅減額があります)。
仕事がなければこれだって大変な負担です。
それ以外に、5万以上の会費を払うとなると、ざっと月10万円です。
減額を考慮しても7~8万円になります。
仕事のない弁護士がそんな大きな額を払えるとは思えません。
そもそも実務は具体的な仕事をしながら覚えるものです。
ただ形式的に法的書類の書き方など覚えても実戦向きではありません。
書き方というよりは、事実をいかに料理するかの方が重要です。
それによって、自ずから書き方も異なってきます。
むしろ、最近気になるのは、若い弁護士さんに、脅しのようなやり方
が目につくようになりました。
ごり押しです。理屈もわからず、一方的で身勝手な主張を押し付ける
のです。こちらの方が心配です。
例によって、話がそれますが、アメリカでニューヨーク州の検事局勤務の
女性検事補がS&Mパーティーでアルバイトしていたとして辞任を迫られた
ケースがありました。9月に発覚10月に辞任です。
お金を取っていたかどうかは別にして(本人は否定)、S&Mの女王役を
していたことは事実で本人も認めています。
ドレスアップをした写真すら公表しています。
それについて、私生活でこういう女王役をしたことが、法律家としての
大きな成功につながっていると思うと述べていました。
なお、彼女、3年前の証券詐欺事件で、バンク・オブ・アメリカほかの金融機関
から50億ドルの和解金を支払わせる和解を成立させるほどの凄腕
とかで、当時の上司ニューヨーク州法務長官(現知事クオモ)からお褒めの
言葉をいただいていたのです。
S&Mの女王役のアルバイト?が役にたったというのは、脅し方、支配の
仕方を心得ていたということかも???そして大成功したというのは
この事件のことかも??と勘ぐっています。
脅し方?がうまくなると結構仕事もうまくいくことはあるのです。
ただし、これも限界があります。
弁護士の質が落ちてもっとも被害を受けるのは、一般消費者です。
司法改革制度をもう一度見直す必要があると思います。
必要な改革とそうでないものの仕分けが絶対に必要です。
つまらない仕分けより、こういう仕分けこそ重要です。
そして、裁判所や検察庁こそ、もっと改革すべきです。
その場でもっと議論をする、何を考えているのかが、外からわかるように
すべきです。
書面だけ出させて、こそっと決めてしまうなどの
書面主義は絶対に改善すべきです。
私は書類の作成の仕方というよりは、事実認定の仕方や
問題点、論点をいかに発見するかとか、そもそも法とは何かなど
基本的根本的事柄についての考え方を教えることの方が
もっと重要と思います。
さて、どうなるのやら、見守っていきたいとは思います。