弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

フロリダガンマンの妻、逮捕

2012年06月13日 | 海外事情

事件というものは思いがけない方向に展開していくもののようです。

フロリダガンマンのジマーマンについては、保釈が取り消されました。
理由は、インターネットを通じての寄付金20万ドルについて、
法廷で嘘をついたというものです。
5月2日のブログでは保釈金の引き上げを認めなかったことを書きましたが
その後、保釈そのものを判事は取り消したのです。

再度、保釈申請をするようです。

ところで、被告人本人とは別に妻が逮捕されました。
妻は保釈のヒアリングで電話による証人尋問をしていました。
この保釈審理のときに既にインターネットで集めた多額の寄付金のことを
知っていたということがわかったのです。

勾留中のジマーマンとの電話でのやり取りが録音されていたのです。
日本でも100万のことを万を省いて100などということはしばしば
あります。
ジマーマン夫妻も同じで155あるとか10とか100とか会話をしていた
ようです。
検察側もまさか20万ドルもインターネットで集まると想像もしていなかったので
しょう?
口座に155とか10あるというような会話を聞いても155ドル10ドルと
考えていたようです。
これじゃ、確かに手元不如意であるとの妻の言い分は、すっきりと納得できますよね。
しかし、20万ドル集まったということがわかった上で、
夫婦の会話をもう一度検討しなおしてみると、なんと万の単位を省略していた
というわけです。

ということで、偽証罪で逮捕されたということです。
もちろん、ただちに保釈になり釈放されました。
保釈金は1000ドルとのことです。

アメリカは偽証には厳しいと聞いていましたが、
このような実例をみると、そうだと感じます。

また、そもそも保釈金について裁判所をミスリードしたということで
取り消すというのも厳しいように思います。

しかし、こういう厳しさがあってこそ公正な裁判が実現できるのだと思います。

だからこそ、被告人が必ずしも証言台に立たないということが多いというのも
わかります。
そうそう、ジョン・エドワードも結局は証言台には立ちませんでした。
それだけでなく、ミストレスも娘も、みんな証人となるのではないかと観測
されていましたが、出ませんでした。
証人になると自分に有利なことも証言できますが、
不利なことも証言しなくてはなりません。嘘をつくと偽証罪で、即、起訴になります。
偽証罪の危険があるときは、証言しないようです。
だからといって、不利な取り扱いはされません。
結局、エドワードの事件も1週間以上も陪審員は評議しましたが、
結局、1つについては無罪、あとの6件については審理無効となりました。
事実を明らかにしない方が、疑わしきは罰せずで有利になるようです。
審理無効というのは無罪ではないので法律的にな再度の可能性はあるのでしょうが
現実には一件落着となるようです。

こうして具体的な事件をフォローするといろいろと見えてきます。

次は、再保釈の申請が認められるかどうかです。