判事ディード 法の聖域のご紹介ができておりませんが、
ドラマは毎週見ております。
ただ、バルト三国旅行中は、録画取りに失敗し、見逃しております。
こういう機械ものには弱いのです。
さて、第11話まできました。
ディードに対する嫌がらせはますますひどくなっております。
しかしハイコートジャッジをやめさせることはできないので(100年以上前に1回だけあった
ということですが、それ以上にハイコートジャジをやめさせるということは
自分たちの名誉にも関わるので、誰もしたくはないということです)
ディードの弱点である恋人のジョーが狙われています。
これまでの回で、資格をはく奪しようとする企みがあったり
(これはディードの機転で危機を脱しました)、
その後は、検察側の代理人としての仕事を減らしたり、
前回はその名簿リストから外そうとするなど、
陰湿な嫌がらせが続いています。
そしてディード対策としては、つまらない事件だけを配点する、重要な
事件からは外すことにしたのです。
11話では、徐々にジョーにも仕事が回ってくるようになり、
現職国会議員の殺人未遂事件の仕事の依頼がありました。
被告人の弁護士はあのやり手のカウントウエル(第6話政略への反抗)です。
相手に不足はありません。ジョーはやる気満々というところです。
この事件、本来はモンティ・エヴァラードといってディードより上席の裁判官の担当予定でした。
モンティは俗っぽい判事で、官舎の一番いい部屋を自分を差し置いてディードが使っているのが
気に入らないと言って帰ってしまうとか、
EUの人権研修セミナーで自分が目に付けた女性判事をディードが取ったというので
ディードを嫌っているのです。
さて、国会議員の殺人未遂事件は、このようにディードではなくモンティが担当することに
なっていたのです。
ですが、モンティの奥さんは強姦とか殺人とかジューシーな事件がお気に入りなんです。
ということで、ディード担当のそういう事件とMPの殺人未遂事件を交換することにしたのです。
モンティの奥さんの好みはほかの裁判官や弁護士たちの知るところです。
(ドラマだけの世界なのか現実の世界もそうなのかわかりませんが、ありそうにも思います。)
ということで、またまたディードとジョーは法廷で顔を合わせることになりました。
しかし、この殺人未遂事件は被告人が現職の国会議員ですから政治的なものであり、
例のイアンはカンカンです。モンティに取り戻すように指示するのですが、
奥さんが頑として言うことをきかず、ハイコートのジャッジたるもの政治的圧力に屈しては
駄目よなどと、取り合ってくれません。
さて、この事件ですが、本当によくわかりません。
最初は、証拠十分、有罪確実のようにみえるのですが、
ディードの親友のロウも、証拠が怪しいよなどと警察官らしからぬことを囁きます。
知らないソリシターからMPのコートに血はついていなかった、目撃したなどという
無罪を疑わせる情報の提供がジョーに寄せられたりで、
ジョーも自信がなくなります。
誰かがMPの無罪を望んでいるのか、あるいはそもそも殺人未遂事件が陰謀なのかです。
被害者はMPと性的関係があった男です(つまり同性愛ですね)。
お金を渡したりする仲だったようです。
不都合な手紙を取り戻したいMPと金がほしい被害者の男。
動機はあるのです。
もちろん、MPは否認です。
MPは犯行現場から車で逃走する途中で逮捕されたということですが、
緊急手配の指示が出てから逮捕するまで11分ですが、この間に13キロ走っているのです。
ということは、時速70キロで走行したことになるわけで、
一般道路をそのような高速で走ることができたかが大きな疑問点でした。
また、その手配テープですが、その録音開始時間には、まだ犯行前であり、
犯行前に逮捕の指示命令が出ていたというのもおかしいのです。
また、テープが数種類あって、どれがオリジナルかわからいなど、
疑問だらけです。
このMPさん、兵器産業にかかわる若い科学者たちの不審死について調査をしていたようなのです。
そして、ロウも退職が近づき、どうやら兵器産業界に第二の人生を託そうとしていたようで、
陰謀にかかわる動機はあったのです。
ロウの不審な動きにディードは裏切られたと激しく罵ります。
(何かわけがあるような気がしますが、この回ではわかりません)
ということで、ディードはこれ以上裁判を継続することは危険だということで、裁判を
中止します。陪審員に無罪の説示をするのは適当ではないということで、ディード限りの
判断で停止することになったのです。
11話も見てきますと、ディードのこの判断もすっきりと理解できるようになりました。
そういうことで、裁判の方はあまり面白かったというわけではなかったのですが、
ディードの私生活面でおもしろい発見がありました。
ディードの女性関係は、手当たりしだいという感じです。
ですが、ジョーが自分のために嫌がらせを受けていることや、やはり本当は彼女を愛しているの
だと思いますが、
一人の女性(ジョーのこと)との関係を継続させられるようにしたいと、
カウンセリングーを受けることにしたのです。
悪いことに相手は女性でした。
ディードが養子だったことは既に述べました。
その養母は実はディードが10歳のときに鬱が原因で自殺したのです。
カウンセラーがこの辺りのことをしつこく聞きます。
母親が死亡してから、父親はディードと姉と距離を置き、心を閉ざしたようだとか、
何か自分を責めていたようだといい、母親のことには触れたがりません。
ようやく、母親が死亡してから階段の下の物置に閉じこもるようになったこと、
母親のにおいバニラ(パン屋さんですから)が懐かしく、
いまでもそのいい匂いがするというのです。
物置から出てきたくない、ずっと閉じこもったままでいたいと思ったと、
涙を流しながら思いだします。
おそらく、これがディードの女性問題の根本的な原因ではないかと思います。
ディードにとっては、女性との関係は全く物理的なものであり、
朝夕にシャワーを浴びるようなものだ、
だから気持ちは後に残らないというのです。
そして、とうとうカウンセラーとも一線を越えてしまいました。
ジョーにも告白しました。
ということで、ディードの女性問題については今後もいろいろ期待?できそうです。
さて、冒頭で元妻のジョージが代理人を務める民事事件がありました。
新進気鋭の下着デザイナーのデザインを盗用したという損害賠償請求事件です。
前にも述べましたが、イギリスの裁判官はいろんな事件を扱うのです。
全くの盗用だということで、ジョージの方を敗訴させます。
ディードはいつも、ジョージには厳しいようです。
その損害賠償ですが、普通のいわゆる損害のほか、加重損害というものを認めていました。
aggravated damages というのですが、アメリカでいう懲罰的な損害というのではなく、
そこまではいかないが非難すべき行為だと認められたときに命じられるようです。
英法律用語辞典で調べてみると、精神的、あるいは名誉に対する損害のようです。
この加重損害の方が3倍も多かったということは、大きな意味があります。
イギリスの法律事情に詳しくなりつつあります。
楽しみながら勉強できるのが嬉しいですね。