弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

福島原発放射線漏れ、最悪

2011年03月31日 | 政治、経済、社会問題

どうやら最悪の状態になったようです。

以下は、イギリスのデイリーメールからの転載です。
大衆紙なので、やや露骨ですが、それだけにわかりやすいです。

日本では、有人作業が続いていますが、外国人には理解しがたいところです。
この写真は、アメリカの無人機が上空から撮影したものです。
上空からの撮影すら有人では危険というのですから、
内部で作業する下請けの作業員の危険がいかほどのものか推測に
あまりあります。

この記事についての見出しの部分です(Last updated at 1:22 PM on 30th March 2011)当然イギリス時間です。

「Japan pays 'suicide squads' fortunes to work in stricken nuclear plant as 'battle is lost for reactor two'」
あまり翻訳したくありません。英文のままにしておきます。

要点を6項目に箇条書きにしてあります。

・Four reactors at stricken plant to be decommissioned
 (廃炉にするしかないということです)

・Subcontractors offered £760 a day - 20 times going rate - to brave radiation levels but some refuse
 (危険な作業をする下請けの作業員に1日10万円(通常の場合の20倍)を提供しても
 断る作業員もいるということです)

・One expert who designed reactor says race to save reactor two is 'lost'
 (この原子炉をデザインした専門家の一人は第2原子炉は作業は既に失敗した)

・Radiation levels in sea water 3,335 times higher than normal
 (海水の汚染度は通常の3335倍)

・Readings are almost three times worse than last week
 (数字は先週から3倍も悪化)

・Unmanned drone photographs plant from the air amid health fear for pilots
 (パイロットの健康が心配なので無人機で原発の写真をとる)

・American robots dispatched to help containment efforts
 (アメリカ、閉じ込め作業に協力するため、ロボットを派遣)

無人機が上空から撮影した写真です。
これをみれば、現状がどういうものか、一番よくわかります。大きなサイズのままです。
横にスクロールしてみてください。

これは、第1、第2の原子炉です。
第2原子炉からは煙が出ています。どうやら、第2が一番問題のようです。
初期の段階で、第1、第3の対応に追われ、第2の問題を見逃したのが最後まで影響しているようです。

これは、第3、第4原子炉の写真です。
こういう状態をみると、放射線漏れがあって当然と思います。

これは、同じく第3、第4原子炉ですが、違った角度から撮影したものです。
原子炉から放射線漏れがあるとすると、海水に流れ出すのはこれまた当然のように見えます。
こんなにすぐそばに海があるのですから。

こういう記事を読むと、人の命や健康に対する考え方の違いについて考えさせられます。

世界中の専門家の協力を得て、一日でも早い閉じ込めに成功することを祈りたいです。

すでに、スコットランドのグラスゴーやイギリスの静かな湖水地方にも日本の放射線が
届いているということです。
日本の名誉のためにも、関係者(特に東電)の誠意ある対応を望みたいものです。


プルトニウム検出

2011年03月30日 | 日記

福島第一原発の敷地内からプルトニウムが検出されました。
唯一の被爆国である日本で、
チェルノブイリ(ロシア)、スリーマイル(アメリカ)に引き継いでの原発事故。
結果はまだまだ不明ですが、深刻な事態であることだけは
間違いなさそうです。

原発の事故については、実際のところ、誰もわかっていないのかもしれません。
だからこそ、世界中で原発建設についての見直しや反対の動きが拡大して
いるのだと思います。

それはそれとして、今、福島で起こっていることについては
被害の拡大を防ぎ、そして何としても生き残らなければなりません。
世界中の目は、日本なら何とかできるのではとの期待があるように思います。
原発の問題は、日本だけの問題ではありません。
世界中の関心事であり、問題です。
関係者には総力を挙げて、最善を尽くしてほしいと思います。

こういう事態をみていると、みんなが一つになって頑張るしかないように思います。

今、リビアに引き続いて、シリア、イエメンと中東は揺れに揺れています。
中東地域は世界最古の文明の発祥地です。
それ以降、いろんな民族が衝突を繰り返してきました。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教の生まれたところです。
そういう紀元前からの長い長い歴史の上に、
今の不安定があるのだと思います。

今の日本も同じです。

この最悪の事態からスタートするしかありません。
それぞれが置かれたところで、精一杯、できることをすることです。
そんな風に思うようになりました。
やらなきゃいけないことはやる、やれることはやる、と腹をくくるということです。

何とかなりそうな気がしてきませんか?


放射能漏れ

2011年03月29日 | 政治、経済、社会問題

原発の被害、特に放射能漏れについては、徐々に明らかになってきています。

どうも安易な対応であったようです。
いろんな批判も出てきそうです。
「放水焦る官邸 効果考えず場当たり的指示」などがその例です。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110328/dst11032819250053-n1.htm

もう少し、事実関係が明らかになるのを待ちたいと思います。

それにしても、危機管理の責任者(首相)は常に冷静であること、みんなの愚痴を聞く
ことはあっても自ら愚痴ることなど絶対あってはならないことです。

あまりにも情けなくて、絶望的で、言う言葉もありません。

津波の猛威


政府の原発事故対応に疑問

2011年03月28日 | 政治、経済、社会問題

東電の対応があまりにもいい加減なことは徐々に国民の目に見えてきました。
社長の姿が見えなかったのは過労だということですが、
こういう危機の時には、もしそういうことなら、社長に代わる体制をとるべきだったと
思います。

最初のころは、枝野長官が原発関係についての報告を一手に引き受けていましたが、
私はとても奇異に感じました。
原発の状況がどうなっているかなどは、まず当事者である東電がやるべきではないか
と思ったのです。
次には、原子力安全保安院の担当者に事実関係等を確認させ、東電に指示をしたり
指導させるのだと思います。
こういう人たちの報告をしっかりと受け、さらには、最悪の場合を含めていろいろな場合を
想定し、被害の実態を早急に正確に把握する体制をとっておくべきです。
枝野長官の会見からは、このような用意周到な検討がなされているとの発言は
なかったし、そのような取り組みの必要性を認めているようには見えませんでした。

最近になって、東電がきちんと情報を挙げてこないので、指示ができないなどと言い出し
ていますが、きちんと情報を上げさせるように対応するのが本来の仕事ではないか
と思います。

急に東電が情報を挙げた来なくなったというわけではないと思います。
今まで何回も会見が行われていますが、大丈夫なはずが、すべて、ずるずると
深刻な事態に追い込まれています。

政治家主導というは、本当は極めて重大なる責任を政治家がすべて負うという
ことのはずです。

原発のこともパフォーマンスだけであり、最初はそれでもよかったのでしょうが、
事態が深刻になり、到底パフォーマンスだけでは済まなくなり、
すべてを東電に押し付けているように見えます。
しかし、いい悪いは別にして、東電の怠慢だと叱ってみても、悪くなっても
良くはなりません。これを見極め、
折角、保安院や原子力安全委員会があるのですから、これら組織に、東電の
無責任分の代わりをさせるようにするのが危機管理の責任者である政府の
役割でしょう。
それを東電に厳重注意をするとか指導するとか言っても始まりません。

深刻な事態かもしれないということは、外国のマスコミ等では、そういう可能性を
早い段階で指摘していました。
深刻な事態にならなければOKですが、やはり、最初の段階から最悪を想定して
おくべきでした。
今の対応は後手後手に回っています。

こういう危機の時に、危機の訓練もしたことがなく、専門的な知識も経験も
ない、政治家主導というのは破たんにまっしぐらを意味します。

幸い、アメリカがトモダチ作戦で最大限の支援協力をしてくれるということで、
原子力に詳しい専門家も相当数いるようですから、
ぜひぜひ、厳しいチェックと協力をお願いしたいものです。

放射性物質は風にのって世界中を駆け巡ります。
起こってしまったことは仕方がありません。しかし、
対応のまずさ未熟さの結果、被害を拡大させることになるとしたら、
それは政治の責任であり、国民に対してはもとより
全世界の人たちにたいしても許すことにできない犯罪です。

今は責任の押し付け合いをするときではありません。
命の危険をも顧みない現場の個々の作業員にのみ頼るべきではありません。
政治のリーダーシップがみえません。
いまこそ、政治のリーダーシップで総力を挙げて、一刻もはやく
この問題を終息させることです。

枝野長官、会見を開いて説明するのは、だれでもできることです。
リーダーシップを発揮していることにはなりませんよ。