「かに弥」で食べた後、喫茶店の「ブロンズ」にて休憩しました。「お好み焼き道」で少し長居をした他は、ずっと移動で走ったり歩いたりしていましたから、少し疲れてきたのでした。
このお店の人気メニュー「生徒会セット」も食べてみたかったのですが、もう満腹状態でした。それでガルパンドリンクを注文し、気さくな女将さんと色々話しました。缶バッジも新しいデザインを出したということで、1個いただきました。それは角谷杏生徒会長と澤梓の両人が「ブロンズ」を背景にして写っているセピア色の写真、というイメージで作られていて、なかなかいい雰囲気のバッジでした。ついに「ブロンズ」からもオリジナルデザインが登場したのだな、と感動しました。
女将さんの話によれば、大洗で配布している缶バッジは、その多くが商店街および各店に共通するデザインのものですが、今後は各店毎に独自のデザインを申請し版権を取得して出してゆくということでした。既に先行例として、各宿泊施設の宿泊特典用のバッジをはじめ、「お好み焼き道」の購入特典大野あやバッジ、「吉田屋」の「スィート梅」の特典武部沙織バッジ、「鳥孝」の購入特典磯辺典子バッジ、「和泉屋米穀店」の購入特典エルヴィンバッジなどが知られていましたが、今後予定されているものとしては「大久保酒店」の購入特典阪口桂利奈バッジや「新屋酒店」の購入特典山郷あゆみバッジなどがある、という話でした。
それを聞いて、缶バッジをコレクションしているガルパンファンの方々は、これからが大変になるだろうな、と思いました。
宿に入るまでに時間があったので、まだ行っていないルートを中心にして各商店街を回ってみることにしました。そこで東町商店街の上の道を一通りたどってみることにしました。商店街のメインルートの西側の斜面上に広がる宅地の車道です。
その車道から東に入る路地道は、すべて下り坂になっています。下ると東町商店街のメインルートに出ます。東町商店街が、丘陵地の麓に沿って位置していることが地形からも理解出来ました。街道筋に商店街、丘陵地に宅地、というように分かれているわけです。
民家の間の隙間から、「丸五水産」の店先が見えました。角谷杏生徒会長のパネルも見えました。こういう景色もなかなか面白いです。
東へ下る道が商店街のメインルートと交差する地点は、いずれも道が食い違いになっています。中世期からの古い街道および宅地によく見られる現象ですが、近畿地方で見られる同種の食い違い交差は、主に古代律令制度以来の土地区画法の名残りだとされています。古代においては、口分田を配分してから道をつけるので、田畑の面積や占地状態に道が左右されます。これが近世始め頃より、道を付けてから田畑や宅地を計画するという方式に転換したため、道は比較的直線的になって屈折や交差が少なくなります。
大洗の街中によくみられる屈折や交差が、近畿地方の類似例と同じ背景によるのかどうかはまだ確かめていませんが、少なくとも軍事的要素の方は薄いだろうと思われます。
大洗に点在する稲荷神社の一つ、「おしゃらく稲荷堂」と呼ばれる処の前まで来ました。向かいには、西住しほの居る「さまた接骨院」の駐車場があります。
「おしゃらく稲荷堂」は、屋根も壁も全て朱色に塗られた、とても目立つ建物でした。宅地の中の惣堂として明治以前までは神仏混交の本地堂の形態をとっていたのではないかと思われます。「稲荷社」ではなくて「稲荷堂」と呼ばれているのもそれらしき由緒を感じさせます。近くにいた住民の方に尋ねたところ、明治の頃までは「稲荷薬師堂」とも称して薬師仏も祀っていたとのことでした。
現在でも合祀状態が維持されているのだろうか、と疑問に思い、戸口まで行ってみましたが、閉まっていて内部は拝めませんでした。
道を東へ抜けると、商店街のメインルートに合流してそのまま大洗磯前神社の一ノ鳥居の前に行きます。折り返して商店街のメインルートを西へ戻り、ももがーの居る「ウスヤ」まで行きました。
ももがーもパーカーをつけてマフラーを巻いていました。お店の方で着けているのですか、と尋ねたら、「いいやウチは全然やってないんだ、ファンの皆さんが色々やってくれてるの」という御返事でした。他のところでも事情は同じだと聞きますので、パネルごとにファンの方が楽しんで季節にあわせてのファッションを演出しているんでしょうね。
「森屋菓子店」の河西忍は、赤いマフラーを巻いていました。かけてあるガルパンウォレットは、「大洗トラベルガイド」の付録ですね。居合わせたガルパンファンの方と少し立ち話をしましたが、その際に「新たなガルパンウォレットが二種類も出るらしい」と聞きました。キャラアニが4月以降に予定している「ガールズ&パンツァー タクティカルウォレット」の「大洗女子学園」バージョンと「黒森峰女学園」バージョンのことだと分かりました。
引き返して「新屋酒店」で山郷あゆみのマフラー姿を見ました。茨城サイダーのメロン味を買って飲み、主人に缶バッジのことを尋ねました。「早ければ来月初めには出せると思う」との御返事でした。
「さかげん」のカチューシャは熊の被り物に赤いセーターという、いかにもロシアンなファッションに包まれていました。ファンの方もキャラの性格や気候を考えてそれなりの演出を心がけているのでしょうね。
「森寅」では店内の干物も見学しました。いつも、買って持ち帰りたいなあ、と思うのですが、移動に時間がかかるのでどうにもならないのです。干物が大好きな私なので、毎日の食事に干物を食べられたら幸せなのですが、あいにく現住地の台所がIH仕様なので、ガスコンロで干物を焼いて食べる、というのが不可能なのです。
それで、店の方に「干物をIHの調理器具で焼いて美味しくいただく方法はありませんか」と尋ねてみたのですが、「干物だからやっぱりコンロやグリルで火をあてて焼かないと、美味しくならないだろうね」と残念そうに言われました。やっぱりIHではだめなんですね・・・。
もときた道を一気にたどって走り、曲がり松商店街の方へ行きました。途中で二ヶ所ほど、道端に手押し式水ポンプを見かけました。大洗の各所でこの手の汲み上げポンプをよく見かけます。昔はどこにでもあった筈ですが、上水道の整備にともなって多くは姿を消しています。
でも大洗では、古いものも撤去されずにそのまま保たれているのをよく見かけますし、中には現役で運用されているものもありました。
「大久保酒店」の「やれば出来る子」阪口桂利奈です。この日はマフラーを巻いていました。その名前に因んだ純米酒「桂利奈」も販売されているそうですが、私は酒をやりませんので、買うのであれば、お世話になった目上の方に贈り物として謹呈することになるでしょう。
近頃にガルパン交流板などでも話題になった、「黒澤米穀店」の宇津木優季の本格的な着物ファッションです。御姫様のような可愛らしさが人気を集め、さすがにここには数人のガルパンファンが集まって写真撮影をしていました。
お店の方に聞くと、これもファンの方が調達して着付けをしたそうです。衣装代だけでも馬鹿にならないと思うのですが、本当によくやるなあ、と感心してしまいました。
隣の「江口又進堂」の左衛門佐は、獅子頭と破魔矢を持ち、凧と羽子板を添えてありました。衣装ではなくて正月グッズでまとめているのはシンプルながら目をひいて効果抜群でした。こういう正月仕様は他のキャラパネルではあまり見かけませんでした。
この日は店内に数人のガルパンファンが居て、店内の歴女マダムと雑談に興じておりました。と言うより、マダムにつかまってその歴史講釈を延々と聞かされているといった風情でした。
「肴屋本店」付近より「江口又進堂」および「黒澤米穀店」の並びを見ました。相変わらず宇津木優季が人気を集めてるようで、数人が店先にたむろしていました。でも店内に入って行く人はあまり居ませんでした。見るだけ撮るだけの人がガルパンファンの大部分を占めている、という地元住民の冷ややかな評価は、当たっているように感じられました。
「肴屋本店」の前の有名なカーブ地点です。劇中ではここで聖グロリアーナ女学院の歩兵戦車マチルダⅡが曲がりきれずに「肴屋本店」に突っ込み、ガルパンの聖地の中の聖地が誕生しました。それ以来、超人気の旅館となって、この宿を予約するのは至難の業になっているそうです。
今度は実際に本物の戦車を玄関先に突っ込ませたら、建物も新築増床して予約がとりやすくなって宿が更に繁盛する、と言われているようですが、その前に、建物の破損をともなう重大な交通事故として処理されるに決まっています。
向かいの駐車場の所にあるキャラクターパネルです。右端の「肴屋本店」主人のパネルをもっと本人に似せて欲しい、と思うのは私だけでしょうか・・・。
永町商店街に進んで旅館「福本楼」の前に至った時、その脇の路地道に気付きました。そういえば劇中では、西住みほ達のⅣ号戦車D型が、聖グロリアーナ女学院の戦車部隊の包囲から脱してこの路地道から抜け出すシーンがありました。このルートはまだたどっていなかったな、と思い出してその路地道に進みました。
路地道を抜け出た地点の景色も、劇中ではそのまま再現されています。このルートで西住みほ達のⅣ号戦車D型は窮地を脱して、若見屋信号交差点での反撃で相手のマチルダⅡ二台を瞬く間に撃破し、ダージリンのチャーチルとの最終勝負に挑むわけです。
なので、この地点から西に移動して次の辻で右折し、「ブリアン」の角の所で追撃してきたマチルダⅡ二台を側面から撃ちやぶる、というルートが想定されますが、そのルートはこれまでのガルパン市街戦マップには表示されていないようです。
西住みほ達のⅣ号戦車D型が抜け出た路地道は、実際には狭くて戦車どころか車も通れません。ここが劇中では広い道になっていたわけですね。
永町商店街のメインコースに戻って、玩具店「タグチ」のショーウインドーを見ました。模型が好きなので、毎回ここの展示を見るのが楽しみになっています。ガルパン戦車の完成品が入れ替えで展示されるので、自身のキット制作の参考にもなり、必見のスポットです。
今回は、ダー様とペコのコンビでピンクパンサーまで再現された劇中さながらのジオラマが展示されていました。こういうのが私は大好きなんですよ。映画やアニメの有名シーンを模型で再現するというシチュエーションには心惹かれるものがありますので。
それでしばらく見入っていたら、たまたま出て来られた御主人に声を掛けられ、それがきっかけのようになって店内で模型談義を楽しみました。お茶までいただいてしまいました。
「模型は主に軍艦を作ってばかりだったのですが、ガルパンに出会ってからは戦車を一生懸命に作っております」と話したところ、何を作ってますか、と聞かれました。当時はプラッツのカバさんチームⅢ号突撃砲F型を作っている最中でしたので、そのことを言うと、「あれは難しい方なのかね」と問われました。「思ったよりは難しくないです。部品の合わせに気をつけて丁寧に作れば、ちゃんと仕上がるような気がします」と答えたら、「その割にはこれはあんまり売れないなあ、見かけは派手で面白そうにみえるけどねえ」と笑っていました。
「ヴィンテージクラブむらい」のオレンジペコです。足元にミニ門松を置いて正月仕様を演出してありました。耳の脇にも花飾りらしきものがつけてありました。
蕎麦屋「大進」の園みどり子は、珍しく本来のパネルの状態に戻っていました。やっぱり前回見た、変なトナカイ角は違和感がありましたね・・・。
みつだんご屋「たかはし」の五十鈴華も、本来のパネルの状態に戻っていました。衣装をいくら着せてもパネルはパネルなので、そのままにしておく方が良い雰囲気で見えるのだ、ということを改めて考えさせてくれます。
惣菜店「カワマタ」の店先も、数人のガルパンファンで賑わっていました。店内にも数人が居て満席になっているので、順番を待とうかどうしようかとウロウロしている人が殆どでした。
珍しく女性の姿も見かけましたが、ガルパンファンの彼氏に誘われて仕方なくついてきた、という風情でした。店先にも近づかず、貼ってあるガルパンポスター類にも武部沙織のパネルにも目を向けず、道端におとなしく待っているという感じでした。
他の人気アニメと違って、ガルパンには女性ファンがほとんどいないとされています。確かに私自身も、11月、12月、1月と大洗行きを繰り返していますが、巡礼の女性ファンを見かけたことは一度もありません。奈良県が舞台になった「咲-saki 阿知賀編」の聖地巡礼に10代および20代の若い娘たちが多いのとは対照的です。
「咲-saki 阿知賀編」は、私も興味があって見ていて結構好きなアニメの一つです。コミック版もテレビシリーズも全部見ましたが、舞台になっている場所のメインが吉野山ということもあって、知名度も抜群です。しかし、舞台の多くは吉野郡下市町阿知賀などの、普段は人もあまり行かない地域に分布しています。
当時、私は吉野大峰奥駈道のハイキングルートを楽しんでいたせいで現地を何度も通過していたのですが、交通の便もあまりよくない吉野川流域の田舎に、なんでこんなに若い女性が多いのかとびっくりさせられましたし、駅やバス停などで三度ほど道を聞かれました。吉野山に登れば、明らかに聖地巡礼と分かる女子高校生や女子大学生のグループが多く目につきました。そういう点も、ガルパンの大洗とは完全に異なるのです。
以前に出会ったガルパンファンの方が、「ガルパンは完全に40代前後の男子だけをターゲットにして、それで成功したけれど、それが逆にアキレス腱にもなるかもしれん」と話していたことを思いだしました。日本の多くの人気アニメは、だいたいは若い女性がブームを引っ張ってきているのです。ガルパンは特殊な例外と言うべきなのでしょうが、女性ファンがほとんど居ない、という実情が今後どのような影響を示してくるのかはまだ未知数です。ただ、続編や第二期などを出さない限りは長続きしないだろう、という推測がよく出されているようです。果たしてどのように推移してゆくのかは分かりませんが、少なくともアンツィオ戦OVAや劇場版が出る今年2014年度は、まだ大丈夫だろうと思います。
道を引き返していて、閉まっている「加藤豆腐店」の建物の脇に、ポツンとカエサルが取り残されたように立っているのに気付きました。
ちょっとカエサルさん、あなたこんなところでどうしたんですか、という感じ。
思わず近寄ってしまいました。ついでにお聞きしたいんですが、その右手に懸けてある筒みたいなのは、いったい何なんですか?、という感じ。
曲がり松商店街を戻る途中の交差点で、茨城交通のガルパンラッピングバスを見かけました。ガルパンラッピングバスは今回初めて見ました。なかなか見られるチャンスが無いそうなので、ある意味ラッキーでした。
呉服寝具店「やまと」のアンチョビてす。アンツィオ戦OVAがスタートすれば、このお店もガルパンファンの新たな溜り場になるかもしれません。いま大洗にてガルパングッズとして販売または特典配布されている大洗女子学園や黒森峰女学園のタオルなどは、このお店から供給されているそうですので、アンツィオ戦OVAスタート記念のオリジナルタオルとかが出される可能性もありますね。
あと、新たに登場するカルパッチョやペパロニのパネルもたぶん出てくると思いますが、どのお店に設置されるのでしょうか。ひょっとすると、新パネルをめぐって秘かな争奪戦が演じられているかもしれませんね・・・。
「年宝菓子店」の秋山優花里です。マフラーみたいなのを首に巻いていますが、マフラーなんでしょうね。ネクタイみたいに見えます。
今回はこのお店の「戦車カッティングシート」をお土産に買うと決めていましたので、店内に進んで御主人に挨拶し、「戦車カッティングシート」について色々お話を伺いました。種類を徐々に増やしているそうで、店内には数十種類のカッティングシートがあり、さらには戦車以外もデザインしたい、との事でした。
そして私は、ポルシェティーガーを買いました。やっぱりホシノの搭乗車ですからね。なんてったってホシノさんですから。 (続く)