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大洗における缶バッジの調査行動は、事前のK氏との相談にもとづき、陳列ボードを設置している店を主に行うことに決めていました。その場合、北は「いそや」、南は「梅原屋」までの範囲に点在する約20ヶ所の店舗が対象となります。この20ヶ所全てを一泊二日の行程にて調査出来るかどうかはまだ分からなかったので、とりあえず対象店舗が多い北側から順に調べてゆくことにしました。
まだお昼ご飯を食べていなかったので、調査前にどこかで軽く食べる事にしました。
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大洗駅から「榎澤輪業商会」まで歩いた道の一部は、前月に江口さんに教えていただいた水浜電車の廃線跡です。これも調べてみたかったのですが、時間が無いので、次の機会にゆっくり探索することにしました。今回は移動をスムーズにするべく、「榎澤輪業商会」にてレンタサイクルを借りました。
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商店街を北上し、大洗磯前神社の一ノ鳥居をくぐり、宮下の商店街に至りました。そのなかの「昭来軒」という食事処に入りました。まだ入ったことが無いお店でしたし、この日の昼食は軽くラーメンでも、と考えたからです。
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「昭来軒」は、いかにも昭和の大衆食堂といった雰囲気のお店で、店先でお婆さんが番をしていました。挨拶をし、世間話をしながら席に案内されました。釣りや海水浴やサーフィンで来られる方がよく利用している、と伺いました。
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ラーメン定食を注文していただきました。御飯はアサリ丼にしてもらいました。素朴な昭和の中華そば、といった感じの味でした。
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昼食を済ませ、近くの「いそや」に行きました。今回の缶バッジ調査活動の最初の対象施設でした。ファンの間では最も沢山の缶バッジを並べているところだと噂されていますが、果たして実際にそうなのかどうか。正式にカウントするのは今回が初めてでしたので、どういうデータになるのかがある意味楽しみでした。
カウントは、缶バッジの総数を最初に数え、それを大洗ガルパン公式缶バッジの数、ガルパン非公式(同人系)缶バッジの数とに大別しました。大洗ガルパン公式缶バッジとは、バンダイの認可を得て大洗町商工会が正式に作って各商店街に配布しているものを指します。ガルパン非公式(同人系)缶バッジとは、ファンやサークルなどによって作られて各店舗に寄贈されているものを指し、アニメイトなどの企業が作ったバッジも含めました。私が寄贈してきた自作缶バッジもその範疇に入れました。続いて、大洗発のオリジナルバッジの数と、32ミリサイズのバッジの数とを数えました。
これらのカウントによって、それぞれのお店の缶バッジコレクションの傾向を把握し、他のアニメの缶バッジにはない大洗独自の缶バッジの動向を浮き彫りに出来ないか、というのがK氏の試みであり、その基礎調査を私が代行したわけです。
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久しぶりに訪れた「いそや」のガルパンミュージアムは、さらに展示品の数を増やしていました。缶バッジ類も、二枚目のコルクボードを上に追加してずらりと並べられていました。下にはサークルケイサンクスのフェアで出ていたピンバッジも並んでいましたが、これらは対象外でした。
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まず、調査日を、2014年9月16日と記しました。この時点での「いそや」の缶バッジの総数は204個でした。パッと見て大体200個ぐらいはあるかなと予想していましたが、ほぼ合っていました。そのうち、大洗ガルパン公式缶バッジが119個でしたので、「意外に少ないな」と感じました。
当時の私の手元にある大洗ガルパン公式缶バッジが106個だったので、13個の差しか無いわけです。デザインを見てゆくと、イベント限定品ばかりが目立っていました。通常の大洗巡りにて得られる品のほうで見当たらないものがかなりありました。
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相変わらず、凄い数の展示品です。ファンからの寄贈品がドンドン増え続けているようで、前回見たことのない絵や画像やグッズが相当数ありました。
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もはや壁は全て埋まり、天井にも一番くじ賞品のフラッグが留められています。寄贈を受ける度に適当に追加していったらしく、以前から掛けられている額縁の上にもイラストが貼られ、もとは食事スペースだった部屋の机などは陳列台に転じています。
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続いて「さかげん」の缶バッジをカウントしました。缶バッジの総数は35個、大洗ガルパン公式缶バッジは14個でした。このお店ではガルパン非公式(同人系)缶バッジの方が多かったのです。これは、プラウダ高校関連の缶バッジにおいては公式のものがたった2個しかないことも影響しているようだ、と感じました。調べてみるとなかなか面白いものです。
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「ウスヤ精肉店」では自作ガルパン缶バッジをまず寄贈させていただきました。あんこうチーム9個セット、カメさんチーム6個セット、カモさんチーム5個セット、アヒルさんチーム6個セットの計26個でしたが、これもこのお店の缶バッジの総数に含めましたので、合わせて228個となり、「いそや」の204個をあっさりと抜きました。
店主の関野さんには、以前より自作缶バッジの大洗チームの全部を譲ってくれと頼まれており、前月と前々月にも自作ガルパン缶バッジを寄贈しているので、それも合わせると55個の多きにわたります。このお店の缶バッジの2割以上を占めていたわけですが、さらに20個を追加寄贈する予定であったので、3割ぐらいに達するだろうと考えました。
当の関野さんは、大喜びでボードに私の寄贈バッジを並べる作業にとりかかっていました。各チームの並べ方を聞いてきましたが、私も正確に覚えていなかったので、「お好きなように並べて下さい」とすすめておきました。
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続いて「丸五水産」にてカウントをしました。店主や奥さんに調査の趣旨を伝えると「ちょっと待って、奥にもあるから」と言われました。どうやら店内の陳列ボードに並べてあるのが全てではないようでした。「最近に娘が集めたのはまだ並べて無いんで、それもカウントしてね」と、平たい駕籠に入れた缶バッジの山を出してきました。
「缶バッジは全部数えるの?同じやつも数えるの?」
「いえ、一種のデザインで一個と数えますんで、同じデザインのが幾つかある場合は、一個だけを数えます」
「そうなの、するとこれとこれは同じやつだから、別にしておくね」
お店でも何個あるのかを全く把握していなかったらしく、何個あるんだろうねえ、と私のカウント作業を興味深く見守って下さいました。結果として、缶バッジの総数は233個、大洗ガルパン公式缶バッジは135個でした。多そうだなと予想していたガルパン非公式(同人系)缶バッジの方は、29個にとどまりました。そのうちの6個は、私が以前に寄贈した自作のカメさんチームセットでした。大洗発のオリジナルバッジのほうが37個と多かったのは、予想外でした。
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このお店では、陳列ボードを分けていて、左側の大きなボードに大洗ガルパン公式缶バッジを並べ、右側の小さいボードにそれ以外の缶バッジを並べています。それでカウントが楽だったのですが、こうして整理して並べているお店は、他には「鳥孝」だけだったので、缶バッジのコレクション自体にかなりの思い入れを持っておられることが伺えました。
缶バッジの多くは、店主の娘さんが、ガルパンファンの一人として早い段階から集められたものと聞きました。茨城空港のウサギさんチーム6個セットもコンプリートされていて、地元民ならばでの強みが発揮されていました。
なので、今回の二日間において調査した18ヶ所のうちでは、缶バッジの総数も、大洗ガルパン公式缶バッジの数も、ともにトップでありました。
つまり、大洗で最も沢山の缶バッジを集めているのは、2014年9月16日時点ではこの「丸五水産」だったのです。「いそや」が一番多いのではないか、という噂は、やはり単なる噂でしかなかったのでした。 (続く)