
ステップ6では、上部車体の各所を組み立てます。ガルパン仕様への追加工作や改造が多数にわたりますので、順に紹介してゆきます。

劇中のワンシーンを御覧下さい。車体においては側面前端に溶接部の溝が無い点、前面上部に突起が全く無い点、が挙げられます。操縦席バイザーは、キットパーツと形状が異なり、内部中央に支柱があります。右側前部フェンダー上にセットされるジャッキ台は、キットパーツよりも厚みを持ち、三本のベルトで留めてあります。キットパーツではベルトが二本です。

キットの上部車体パーツA1です。修正前の状態です。

御覧のように、側面前端に溶接部の溝がモールドされています。これはタミヤキットのパーツでも同様です。

劇中車には溝がありませんので、細長く切ったプラ板をはめ込んで溝を埋めました。

ジャッキ台です。キットのパーツB33は厚みが無くてベルトも二本なので、ここは自作することにしました。ジャンクのプラ材をカットしてジャッキ台本体をこしらえ、プラ板で三本のベルトを作りました。真ん中のベルトの中央を留めるボルトも再現しました。

自作したジャッキ台を、右側前部フェンダー上に取り付けました。この時点で、操縦席バイザーの改造は後回しにしました。

今回の制作において、ガルパン仕様への工作が集中するのが車体上部の天板です。劇中車のシーンで見ますと、4つの修正ポイントがあります。一つ目は、天板上の三辺のボルトの数が異なることです。二つ目は、天板上の三ヵ所のピルツに穴が無いことです。
三つ目は、ペリスコープ式の主砲照準器のスライドカバーの両端が方形であることです。四つ目は、側面に5個のハンドルが並ぶことです。このハンドルは、擬装用の草木などを針金で括りつけるためのものです。

修正前の天板の状態です。三辺のボルトの数が異なります。右辺(上図の左側)で10個ですが、劇中車では7個です。前辺(上図の手前)で10個ですが、劇中車では8個です。左辺(上図の右側)で13個ですが、劇中車では6個です。目立つ部分ですので、転輪のボルトのようにスルーするわけにはゆきません。
なお、劇中車のボルトは五角形をしているのですが、そこまでの再現は無理なのでやりませんでした。

最初に、全てのボルトのモールドを削り取りました。

起動輪においてボルトを追加した時と同じような要領で、ウェーブのボルトパーツを使用して三辺のボルトの数および配置を劇中車に合わせました。

続いて側面の修正に移りました。キットパーツでは5個の突起が並びます。これをハンドルに変更します。

突起を全て削り取り、突起のあった位置にピンバイスで穴をあけました。後方の5番目の穴だけは、突起の位置ではなく、劇中車の画像を参考にして位置を決めました。

真鍮線でハンドルを作り、片方の端を長くしておきました。その長い方の端を穴に差し込んで、ハンドルを瞬間接着剤で固定しました。

左右5個ずつのハンドルを接着し終わりました。

天板上の三ヵ所のピルツを修正しました。元の状態では少し高かったので削って低くし、穴も埋めました。

ペリスコープ式の主砲照準器のスライドカバーです。キットパーツはB18で、両端が丸くなっています。劇中車のものは方形ですので、両端の丸み部分をカットすることにしました。

カットして両端を方形に整えたB18を接着しました。

続いての修正ポイントは、御覧のように5つあります。一つ目は、天板上右側のハッチの片側にハンドルがあることです。二つ目は、背面右側のペリスコープが出ていないことです。三つ目は、予備履帯は6枚連結であることです。キットのパーツI8は7枚連結になっています。これは6枚連結のI5に交換し、塗装後に取り付ける予定です。
四つ目は、後部のマフラーが前期型のタイプであることです。今回のアカデミーのキットには後期型の簡易タイプしか無いので、タミヤキットのパーツを転用します。五つ目は、前部ノテックライトのコードを追加することです。

組み立て前の背面部の各パーツです。このうち、二ヶ所の乗降用ハッチのパーツは接着せず、ピットマルチ使用にて開閉自在とする予定です。

組み立てた状態です。背面右側のペリスコープB53が出ないので不要となり、その取り付け穴は劇中車の形状に合わせて長方形のプラ板で塞ぎました。天板上右側のハッチの片側G4にハンドルC11を取り付けました。C11はキットに1個多く入っているので、それを使いました。

組み立てた背面部を、車体に取り付けました。

後部のマフラーは、タミヤキットのパーツD56、D57、D58、D59、D62を転用しました。

マフラーを組み立て終わりました。この時点では支持脚がつきますが、劇中車には無いので後でカットして形を整えました。

前部のノテックライトと操縦席バイザーのパーツです。

ノテックライトと操縦席バイザーを取り付けました。操縦席バイザーは後ろを斜めに削って側面が三角形に近くなるように修正し、内部中央の支柱をプラ板で追加しました。

ノテックライトのコードを銅線で追加して再現しました。これでステップ6の工程とガルパン仕様への修正が全て終わりました。 (続く)