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「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

岡山真備のエラヤへ行きました  後編

2018年08月25日 | 観聞日記

 エラヤで購入した水没品の開封とチェック、洗浄と消毒に取り掛かりました。強く照りつける太陽の下で、つぶれた箱も中身もみるみるうちに乾いてゆくので、まとわりついていた泥も粉末状に転じて風に飛散し始めました。頭にタオルを巻き、マスクをつけ、水の入ったバケツ、中性洗剤、ブラシ、重曹、クエン酸、アルコールスプレー等を用意して作業にとりかかりました。

 私はもともと専攻が文化財学で、水没した文化財の修復や消毒除菌のケースも数度経験しているので、今回の水害水没品の取り扱いに関しても、基本的には同等の認識で接すれば良い、と考えていました。参考資料としては、「文化財の虫菌害」69号(2015年6月刊行)に収録される「資料に付着した汚れやカビのドライ・クリーニング」の項が良いかと思います。公式サイトの紹介ページの該当記事をクリックすれば、PDFファイルが開きます。
 あと、広島県世羅町のホームページにて公開されている「水害時の衛生対策と消毒方法について」の項も参考になります。こちら

 まずは、アスカモデルのサスペンションセットを開封しました。今回買った中ではもっとも箱が原形をとどめていたのですが、開けてみると、中まで泥水が充満したことが明らかな状況でした。

 

 ランナーはみんなビニール袋に入っていますが、そのビニール袋にもとから換気孔がつけられていますので、泥水は中にも入りこんでいて、それが乾いてゆくと、中の泥が粉末状になってゆきました。そちらのほうが実は厄介で、袋を開けるとパッと飛散することもありました。
 とにかく、バケツの水に素早く移して沈めるしかありませんでした。バケツはもう一つ出して、そちらにはぬるま湯を入れ、重曹とクエン酸を溶かしておきました。泥汚れがひどいものはそちらへ放り込みました。

 

 ピットロードのオキチスH38のキットの開封に移りました。全ての箱がビニール紐で十字に梱包してあるため、箱がつぶれても中身がこぼれ出てしまう心配は無いものと思われましたが、念のためランナーやパーツが揃っているかのチェックもしました。

 

 これはまだ中身が濡れたままで、上図のカラー解説図も箱の内側にベッタリと貼りついていたのを、ゆっくりと剥がし取りました。熱いアスファルトの上に広げると、表も裏もあっという間に乾いて紙がパリパリになるのでした。

 

 組み立てガイドもびしょ濡れでしたが、一枚ずつ慎重に剥がして開いて、全てのページが無事に使えることを確かめました。暑い日差しの下で、数分ほどでパリパリに乾いてゆきましたので、アルコールスプレーを吹き付けて消毒しました。

 

 ランナーは全て袋から出して、バケツの水に放り込み、ジャブジャブと動かしていると泥が取れました。どうもキット毎のプラスチックの材質に差があり、泥が付きやすいものと付きにくいものとがあるようで、これは付きにくいほうに属しました。ピットロードの製品はパーツの精度が良い事で定評がありますが、ブラ材の方も汚れが付きにくい質であるようです。
 それで、難なく洗浄も終わって綺麗になりました。とりあえず、乾いたパッケージ内に上図のようにおさめました。デカールもまだ使えるようなので、共に保管しました。

 

 続いて、アスカモデルのM4コンポジットシャーマンの開封に移りました。箱はボロボロのヨレヨレでしたが、浸水してピッタリと貼りついた状態になっていましたので、中身が出て紛失していたりする可能性はまず無いと判断しました。それよりも、箱の上下が糊でくっついたようにになっていて、開けるのに一苦労でした。

 

 中身は、案の定ドロドロのままでした。箱を傾けると、底に残っていた泥水がしたたり落ちました。

 

 袋詰めのランナーは全てこんな状態でした。今回買った中で、最も泥汚れがひどかったので、これらは袋から出して、重曹クエン酸のぬるま湯に放り込み、三時間ほど付け置きしました。
 その後、中性洗剤を付けたブラシで軽くこすって洗い、乾かしてアルコールスプレーを軽く吹き付けました。
 

 

 ドラゴンのT34/76です。今回買った4点のキットのうちでは、最もパッケージの状態が良かったのですが、底面に幾つか穴が開いていて、中身が少し見える状態でした。それで、泥水の残留は無いだろうと考えましたが、その通りでした。

 

 開けてみると、中身もほぼ乾いていて、粉末状の泥の粒子がパッとあたりに飛んでゆきました。

 

 御覧のように、ランナーは全て揃っていましたが、一度泥水に浸かって、その後乾いた形ですので、全ての袋に泥の粉が貼りついていて、持ち上げると途端に風に飛散してゆきました。思わず風上に身を移して粉を避けました。

 

 心配していた組み立てガイドは、御覧のように表紙だけが泥汚れにまみれましたが、折りたたまれた部分は比較的綺麗に保たれ、ある程度乾いていました。
 ですが、いったん広げて、日に当てて乾かして、消毒処理を行いました。

 

 さすがにドラゴンのキットはパーツの量が半端無いです。これの洗浄と消毒が最も手間取りました。組み立てガイド図の部品一覧表と見比べながらチェックして袋から取り出し、バケツに放り込んでジャブジャブとやり、重曹クエン酸のぬるま湯に放り込み、三時間ほど付け置きしました。その後、中性洗剤を付けたブラシで軽くこすって洗い、乾かしてアルコールスプレーを軽く吹き付けました。

 

 最後にとりかかったのが、タコムのM3リーのキットでした。これは箱が完全につぶれていたため、中身も無事なのかと不安でしたが、泥でパックされて密閉されていたのに等しい状態であったため、開封してみたら全て無事でした。

 

 まずは一安心、と思ったのもつかの間、組み立てガイド冊子に相当なダメージがありました。もともと紙質が良くない薄い紙を使っているようで、、剥がすと裏面までビリビリと破れてしまうページがあり、更に光沢紙のページが、糊状に貼りついてしまって剥がせませんてした。
 なので、組み立てガイドの後半部分が使えなくなりました。ネット上でも組み立てガイドが見当たりませんので、タコムに請求するしかないか、と考えました。しかし、海外メーカーなので、簡単に事が進むとも思えませんでした。
 最悪の場合、キットのパーツを仮組みして、組み立て順序を推定復原したうえで制作するしかありませんね・・・。  (了)

 

コメント (2)
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