昨日はなぜか岩屋ダムを見てきました。ロックフィルダムというダムで、真ん中に粘土層、回りに石で固める構造です。
こんなんを山の中に作ってしまうのですから土木の技術はたいしたものです。それも40年以上前ですよ。
まだ、GPSが使えなかったと思われる時代に、これだけの精度で作るにはすごい測量技術が必要だと思います。
土木の測量方法は詳しくは知りませんが、基本的には水平・垂直・直角 それだけの基準線をもとに全部出していくのですね。
たとえば1メートルで1ミリずれいてたら、100メートル先では10センチ、1キロ先では1メートルもずれてしまいます。
建築では、トランシットとレベルという機械を使います。
トランシットは主に垂直と直角を、レベルは水平を出す装置です。望遠鏡のようなものを覗いて位置を出すので、通常2人で作業します。
ゼネコンにいるときは、墨だしは監督の必須作業でよくやりました。人が足りないときは夜中に1人で墨だしをしたこともあります。
私の墨だしで建てたビルが岐阜県内には数棟あります。 ちゃんと今でも建っていますので技術的には大丈夫だったんですね。
というとで、今日は年末から着工するお宅の敷地調査を行ってきました。
タマゴグミの墨だしマシーンです。
これ一台で一人で水平・垂直・直角が出せます。ただ、測る距離が遠くなると精度が落ちますので、実際に建てる時の墨だしは基礎屋さんが持っているトランシットやレベルを使います。
今日はこれを使って、敷地の高低差を調べてきました。
今回はガケ条例もかかる地域ですので、道路と敷地の高さはシビアに測ってきました。
このデータを元に建物の設計GLを決定します。
ちなみに、GLとはグランドラインといって、建物の基準になる土の面です。現在の地面がGLになることが多いのですが、排出土の関係や周りの環境、アプローチの高さ、排水の経路の検討などを行うことで、現状地面より高くなったり低くなったりすることがあるのです。結構頭を使う作業なんですよ。