猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

何のために日本の軍事費の倍増する必要があるのか

2022-05-23 22:37:46 | 戦争を考える

ロシア軍のウクライナ侵攻をみて、日本の軍事費の倍増に賛成する人が増えたのではないか、と私は懸念する。

きょう、岸田文雄首相はアメリカ大統領のバイデンに大幅な軍事費の増額を約束した。そのバイデンは、記者会見で、中国が台湾に攻撃をかけたとき、アメリカは台湾側に立って、参戦すると答えた。

いっぽう、東国原英夫は、きょうのTBSの『ゴゴスマ』で、「防衛費を増額する話がサラッと報道されてるけれど、防衛費がほぼ倍増するということはあと5兆6兆必要でどこから持ってくるのか。多分増税や国債、社会保障費を削るなどになるから、国民の皆さんも頭に入れといてください」というようなことを言っていた。これは冷静な発言だと思う。

自民党や日本の維新の会が防衛費をGDPの2%にというが、日本政府の支出総額はGDPの37%である。防衛費が国の予算の5.4%を占めることになる。決して少額ではない。

「防衛費」というが、抑止力という名の敵国攻撃を想定した軍事費である。日本が軍事大国の道を選択すると世界に約束したことになる。

自衛隊(軍隊)は政府のコントロールのもとに置かれている限り、軍人独裁国家ではないが、軍備で他国を威嚇する点では、軍事国家である。

戦争というのは、他国が侵攻してくるのではという疑心暗鬼から始まる。ロシア軍のウクライナ侵攻も、アメリカ軍がウクライナにはいって軍事訓練をしているという事実から始まった。ウクライナがロシアに攻め入るというプーチンの危機意識は妄想だろうが、ウクライナがアメリカのもとに戦争の訓練をしていたまでは事実である。

北朝鮮、中国はアメリカが攻めてくるのではという妄想のもとに、軍事国家の道を歩んでいる。日本までが、「安全保障」という妄想のもとに、軍事国家の道を歩めば、想定敵国も軍事費をより増強するだろう。結局、各国は、戦争に行き着くまで軍事費を増強することになる。経済合理性からも、人類の幸福と繁栄から明らかに踏み外している。

愚かしい、愚かしい、愚かしい。