猫じじいのブログ

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叩き上げの菅義偉では 日本の明るい未来を期待できない

2020-10-18 23:36:48 | 叩き上げの菅義偉

菅義偉が総理大臣なってから、はや、1ヶ月がすぎる。しかし、何がやりたいのか、私には だんだん わからなくなっている。

それでも、菅はどんな人間かの大きなヒントがある。それは、彼が自分を「叩き上げ」と言っていることだ。

「叩き上げ」からでてくることの1つは、自分は努力して苦難をのりこえ、現在の栄冠を勝ち取ったという自負である。もう1つは、人の弱さを利用して勝ち進んできたという成功体験である。

菅は、9月2日の自民党総裁選への出馬会見で、つぎのように言った。

〈私自身、国の基本というのは自助、共助、公助であると思っております。自分でできることはまず自分でやってみる。そして地域や自治体が助け合う。その上で政府が責任を持って対応する。〉

菅政権10月16日に未来投資会議を廃止して新たに「成長戦略会議」を設置することを正式決定した。そのメンバーは すべて民間会社の会長または社長である。

竹中平蔵 人材派遣会社大手パソナの会長
国部 毅  三井住友フィナンシャルグループ会長
桜田謙悟 SOMPOホールディングス社長
金丸恭文 フューチャー会長兼社長
デービッド・アトキンソン 小西美術工藝社社長
南場智子 ディー・エヌ・エー会長
三村明夫 日本商工会議所会頭
三浦瑠麗 山猫総合研究所代表

このメッセージは、新自由主義(社会保障・福祉の切り捨て)で「成長戦略会議」を固めるということで、菅の持論「自助」と一貫している。竹中平蔵は、ベーシックインカムを導入して社会保障制度を全廃するという論者である。

経営者主導で「成長戦略」を作れば、経営者に甘い「戦略」になるだけで、ますます、日本の産業力が衰退していく。10月16日の初会合のあとの記者会見で、「新型コロナウイルスの影響を念頭にした事業の再構築」「労働生産性の向上」「労働移動の円滑」「テレワークなどの新しい働き方の課題」「国際金融都市の実現」を課題として挙げた。

これから予想されることは、社会保障の切り捨て、労働者の解雇、効率と成果主義による労働者の締め付けが、「叩き上げ」首相によって黙々と実施されるということだ。

いっぽうで、おおやけには、目玉政策として、不妊治療の健康保険適用、携帯料金の値下げ、ハンコの廃止、デジタル庁を唱えている。まやかしである。

菅政権は二階俊博をトップとする危うい派閥均衡に支えられているから、利権をめぐって陰湿な内部闘争が渦巻き、つぎからつぎへと、まやかしの政策が飛び出す。叩き上げの菅は緊縮財政が好みであろうが、派閥抗争はバラマキを招く。経済政策は一貫性を欠き、混乱を極めると思われる。

このままでは、日本の明るい未来を期待できない。
まともな政治が行われるためには、選挙で自民党議員を落選させるしかない。

[補遺]
政治は効率ではない。混乱があってもよい。しかし、オモテでおおやけに議論されず、闇のなかの抗争で政治が行われるのは、民主主義からの逸脱である。


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