新型コロナウイルス感染症の世界的流行で、日本のなかにパニックが起きつつあるようだ。少なくとも、横浜市では、マスクが売り切れている。
しかし、パニックになったからといって良いことはない。問題をこじらすだけだ。
このなかで、法を含むこれまでの社会の仕組みで、新型コロナウイルス対策ができるという、論評がネット上にあらわれた。
米山隆一の『詳細不明の新型コロナウイルスに政府がとるべき対応 合理的・科学的な政策と“演出効果”を含めた果断な実行が必要。筋近いな憲法改正論議』(論座、2月1日)と、沙鴎 一歩の『新型コロナウイルスの「毒性の弱さ」を理解しているか 中国のような感染拡大は起こらない』(PRESIDENT Online 1月31日)である。
両者とも、中国本土のような爆発的流行にならないで済むことができる、と言う。また、SARSより重症化率が低く、これまでの風邪と同じく、特効薬がなくても 対症療法をしっかり施せば死にいたらないと言う。
両者とも、それより、日常の社会活動を維持し、また、患者にたいする差別や人権抑圧を生じさせないことが だいじだとする。
医師の米山は、爆発流行を抑えるためには、「1人の感染症患者から何人に感染させるか」という基本再生産数を小さくすることだと言う。
これまでの風邪の感染予防対策「手洗い・うがい・マスクの着用」だけでも、それを1.0 未満にもって行けるとしている。というのは、これまで得た情報では、「空気感染がない」からである。
さらに、この通常の感染予防対策に加えて、「患者の隔離」と「患者の迅速な治療治癒」で基本再生産数をかなり小さくでき、爆発的流行を抑えられると言う。
中国の爆発的流行は、初期の対策が遅れ、患者数が医療機関の収容能力を超え、「患者の隔離」と「患者の迅速な治療治癒」を行えない状態におちいったからだと言う。
以上の対策を前提として、日本が行うべきことを考えてみたい。
武漢から日本人の帰国のための政府チャーター便で、日本政府が支援物資を中国に送ったことを高く評価したい。日本政府が自国民優先で、中国国民を見捨てたと思われないために、この支援は重要なポイントである。また、中国を新型コロナウイルス蔓延の巣にしないためにも、医療物資の支援をこれからも続けるべきである。
また、感染した人間に何か罪があるわけではない。差別したりしてはいけない。早く治癒して、健康体に戻れるようにしてあげるべきである。貧乏だから医療機関にかかれないことがあってはならない。
今回のチャーター便で、発熱しているからと武漢に置き去りにされた日本人はどうなるのだろうか。自分だけが帰国できない人は、どのように不安だろうか。帰国できるように取りはかるべきである。
新型コロナウイルスの流行を抑え込むためといって、強権的な行政をやってはならない。現行の法律の運用でまかなえる。また、政府に強権的な予防対策を求めることがあってならない。また、当然なことだが、これを名目に、「桜を見る会」での安倍晋三の違法行為の追求を抑え込むことがあってはならない。
すなわち、いま起きていることは、人権や法を否定するような非常事態ではない。
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