(五月晴れ)
自民党があいかわらず憲法改正を党のホームぺージで唱えているが、以前より表現が和らかくなっており、法律の改正ですむようなことになっている。結党の党是「自主憲法」もあって、単に意地を張っているだけの気がする。
日本国憲法の本当の欠陥は、天皇制を維持したことである。本当に必要な憲法改正は、天皇制の廃止ではないか、と私は思う。
アメリカが日本を占領し、「共産主義」陣営との冷戦の最前線におくために、民主主義と天皇制と共存させたのである。「自主憲法」であるならば、民主主義と矛盾する「天皇制の廃止」こそ、緊急の課題である。天皇制の廃止を唱えない自民党は、非理性的で非論理的な「弱虫」と思う。
現在の日本国憲法の最大の欠陥は天皇制を「世襲制」としていることである。
日本国憲法第2条 「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」
第2次世界大戦に日本が敗戦し、「君主政」から「民主政」に変わったのであるなら、当然、血縁に基づく君主制を廃止すべきである。さもないと、第14条の「法の下の平等」と矛盾するのである。
日本国憲法第14条 「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
○2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
○3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。」
憲法の規定における天皇の役割は、第1条の規定により、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴で」ある。第3条から第7条までは、天皇の具体的行為を、国会や内閣の意思に基づく「儀礼」行為に限っている。通常、このような役割は、国会が指名する「元首」の仕事である。「象徴」がほしいなら「世襲制」とは関係ない「元首制」を導入すればよい。
天皇が世襲制の「象徴」であるために、天皇とその家族「皇室」には「人権」がない。
日本国憲法第8条 「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。」
この第8条は、事実上、皇室は私有財産をもてないことを意味する。皇室は、第29条の「財産権」の対象外になっており、第30条の「納税の義務」の対象外である。
平成の天皇がこれ以上「象徴」を続けられないと言ったときも、「私有財産」をもたないから、公務から解放されても、公費で暮らすしかなかった。
秋篠宮家の眞子が日本国民の一人と結婚しようとしたとき、戸籍を作らなければいけなかった。皇室の構成員には戸籍がないのである。したがって、選挙権がないのである。また、親が眞子の結婚式をあげてやろうと思っても、「私有財産」をもたないから公費を使わざるを得なくなる。今回、眞子の結婚式はどうなったのだろう。
もっと大変なのは、天皇と結婚した女性である。跡継ぎを生まないといけないのである。しかも男の子を産まないといけないのである。そのためには、不妊治療が強制される。「個人の尊厳」がないのである。
ヨーロッパにはまだ「君主制」をとっている国もあるが、「世襲制」ではないのだ。子どもがいなければ、他国の王室からもらってくるのである。国民が「王」を選ぶのである。
天皇制を廃止し、皇室は単なる「名家」になって、普通の人間として、自由と民主主義を楽しんでもらいたい。
「天皇制廃止」こそ憲法改正の第1の眼目である。あとは、改正を急ぐ必要がない。
ちなみに、天皇たちは、億単位の私有財産(株式込み)を有しています(名義は内廷会計名義ですけど)。