にゃんこままの部屋

その時々に感じたことを、日記風につづります。

「篤姫」 女性を描いた大河ドラマ

2008-08-04 15:24:51 | 映画  テレビ





NHK大河ドラマ「篤姫」は、「大河ドラマ」らしくないという一部の批判もありますが、
女性を主とする視聴者層であいかわらず高視聴率を上げています。


先日放送された「さらば幾島」の回では、

天璋院となったことで、「豪華な着物は必要ない。」
と、大奥の女性達に分け与え、
花嫁衣装に着た白い打ち掛けは、嫁ぐときに母親代わりになってくれた村岡を救う手段として使い、
「自分がいては、後々、天璋院様の足手まといになる。」
と、大奥を去ろうとする篤姫の養育係であった幾島に、その白い打ち掛けを形見として与える・・
それを受け取る幾島は、
「最後にこの白い打ち掛け姿の篤姫様をみとうございます。」
と涙ながらに哀願します。

篤姫は、天璋院となったことで短くしてしまった髪に
「この頭では打ち掛けは似合わぬの。」
と笑いながら頭髪に手をやり、泣きくれる幾島と手を取り合って、別れを惜しむのでした。


安政の大獄は、おおよそのあらすじとして背景に留め置いて、
あくまでも、本筋は天璋院となった篤姫の身の回りを丁寧に描いています。

これは、「従来の大河ドラマらしくない。」という声もありますが、
この「篤姫」は、「利家とまつ」「功名が辻」の路線を引いているそうです。

私は、「利家とまつ」「功名が辻」をきちんと観ることが出来なかったのですが、
「篤姫」を観ていると、
子供の頃から、母や祖母といっしょに観ていた
かって民放で放送された「ポーラテレビ小説」のシリーズ
を、なんとなく思い浮かべるのです。

「ポーラテレビ小説」は、もう放送されていませんが、NHKの朝ドラとほぼ同じ時間帯で放送、再放送されていました。
NHK朝ドラが、朝8時15分から始まるのに対して
「ポーラテレビ小説」は、昼に放送され、朝は、前日放送された昼の再放送がされていました。
主婦がお昼に観る番組として
「オランダおいね」「薩摩おごじょ」「文子とはつ」
など、一人の女性の一生を中心に描きながら
彼女たちの生きた時代をえがいたものが主流でした。

NHKの連続テレビ小説と同様に新人女優の登竜門として、
このシリーズから女優の中田喜子、岡江久美子、名取裕子、樋口可南子、かとうかずこ、宮崎美子、藤真利子、香野百合子などが
輩出されています。

NHK朝ドラとよく似ていましたが、朝ドラが、朝の爽やかな番組の印象が強いのに対して
「ポーラ・・・」は、じっくりと一人の女性の生き様が描かれていたように思います。
「オランダおいね」のように実在した人物も描かれていたことから、
ふっと「篤姫」もこの路線かなと思いました。

「オランダおいね」は、NHK大河ドラマ「花神」でも
ヒロイン的な存在で出てきます。
「花神」では、浅丘ルリ子さんが、シーボルトの娘「いね」の役をやり、
ドイツ人男性シーボルトと日本人女性の間に生まれた、混血の美人女医をきりっと演じていました。
ただ「花神」は、あくまで大村益次郎や高杉晋作などの男性陣が主役のドラマになっていました。

ポーラテレビ小説「オランダおいね」は
丘みつ子さん主役で、主人公楠本いねが、女医になるまでを描いたドラマで
幕末の動乱期を時代背景として描かれていました。


大河ドラマを見る層も半分は女性ですから、
今後も「篤姫」のように、女性中心に描いた脚本も数多く取り入れて
視聴者層を広げるべきだと思います。

「篤姫」は、篤姫だけでなく、幾島、村岡、お志賀など
数多くの女性が描かれています。

「大奥」のしきたりが描かれ、そのしきたりを改革していく篤姫の行動
そんな篤姫を「新鮮!」と受け止めていく大奥取り締まり「滝山」の確かな判断力。
民放の「大奥」とは違った大奥が窺えます。

「篤姫」は、ホームドラマ的でもあり、青春ドラマでもあり、恋愛ドラマもあり、
ですが、
「女のみちは1本道」を貫き通した一人の女性の人生を、
幕末の動乱期を背景にこれからも描かれていくことを期待します。





「篤姫」について、書いた記事はこちらです。

「篤姫」高視聴率の理由を考えました・・

大河ドラマ『篤姫』 みごとな演出「桜田門外の変」


強い 「篤姫」


「篤姫」 時代を超えて共感するドラマ





コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする