2009-0313-yhs450
蜜蜂の
花めぐりたる
いとせはし 悠山人
○俳句写真、詠む。
○春らしいというか、らしからぬというか、快晴の日が少ない。その合間を縫って、小さな生き物たちが活動する。春三題と名付けたいような、梅花・蜜蜂・桜桃花を、同じ画面に入れてみた。旺文社『古語辞典』の見出し語は「せは(忙)し」だけ、『広辞苑』は、「〔語尾の〕(ない)は甚だしいの意」として、「せは(忙)しない」が加わる
□俳写450 みつばちの はなめぐりたる いとせはし
【写真】先日、自宅。
【memo-「山笑う」】思いついて、先日の『俳句歳時記』で「山笑う」を読む。江戸時代の其諺の「滑稽雑談」から、とあったので、例によって本当かなと軽い気持ちで確認してみたら・・・あっという間に時間が経ってしまった。『俳句季題便覧』(三省堂)の「山笑ふ」の項には、〈『臥遊録』の「春山淡冶(たんや)にして笑ふが如く、……」という一節からとった季題である。〉 それでは、中国語版では? そこから先は、私には迷路のようなものであった。煩瑣を避けて結論を書こう。
宋代の郭煕に『林泉高致集』という画論集があって、その初めの方に次の一節(山水訓)がある。(Windows-Vista にフォントがあるので、北京語簡体字のまま)
真山水之烟岚四时不同,
春山淡冶而如笑,夏山苍翠而如滴,
秋山明净如妆,冬山惨淡而如睡。
不思議な暗合だが、調べを進めていたその同じ日、中国新聞網(ChinaNews.com)に出合って、台北故宫博物院蔵のある山水画に前掲七言詩(風)を捧げているのを知る。続けて、「可谓春山如笑的气象(春の山が笑っているような景観と言おうか)」と書かれているのを読んで、今なお生きている語句なのだなと、黙考したことであった。