
久しぶりの小町。それもだが、「もみぢて」の四文字にこだわって採歌。(略注)
晩秋の降り積もる紅葉と、恋人の心の冷たくなるさまの交錯、と小学版。「葉」の字は、意識して散らしてみた。
ひらかなy149:こがらしに もみじしたはの つもるころ
ことのはまでも つめたくなるのね
ひらかなs1802:こがらしの かぜにもみぢて ひとしれず
うきことのはの つもるころかな
【略注】○もみぢて=紅葉(もみじ、こうよう)して。この歌を取り上げた第一の
動機は、この平仮名四文字をどう文法解析するか、という点にある。い
まこれを書いている時点では、小学版以外の全集三本が手元にないの
で参照出来ないが、小学版には注がない。動詞とすれば、当然終止形が
なければならないのに、旺文社版古語辞典にも、広辞苑にも欠ける。現
代語では、あまり抵抗なく「名詞+する」の造語法が受け入れられるが、
古代語ではどうだったか。自身の懸案とする。
○小野小町=悠 066(09月26日条) 既出。