浄土思想を確立した高僧の、衆生救済(一人でも多くを救う)の考えが、躍如としている一首。
ひらかなy161:ごくらくに うまれていたら いまごろは
どんなひとでも むかえているよ
ひらかなs1926:われだにも まづごくらくに うまれなば
しるもしらぬも みなむかへてん
【略注】○われだにも=(他の人はともかく)私だけでも(極楽往生の手助けをする
んだが)。
○迎へてん=「迎へん」(迎えよう)に、強意助動詞完了形「つ」の未然形
「て」をはさんで、強める。
○源信(げんしん)=卜部(うらべ)から出家。恵心僧都(えしんそうず)も通用。
後世にもっとも影響を与えたのは、浄土教(浄土宗)の基礎を確立したこと。浄
土宗・浄土真宗の開祖、法然・親鸞などは、彼らに先立つ源信が『往生要集』
ですでに、事実上密教から離れ、衆生救済・専修念仏を確立していた。
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