2007-0428-yis148
地獄絵に剣に刺される人の群れ
この世でどんな悪をしたのか 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書は、「地獄絵に、つるぎの枝に人のつらぬかれたるを見て」。平安期に着床した浄土思想が、やがて鎌倉期に結実することは、以前略述したとおりである。平安王朝貴族のあいだでは、儒易神仏、すでに教養・常識として流布していた。
¶地獄絵=<『往生要集』に見える衆合地獄の刀葉林などの地獄絵をさすか。ここは邪淫にふけったものの堕ちる地獄である。>(新潮版)
¶みのなる=<「身の成る」に、「枝」「たわむ」の縁語「果(み)の生る」をかけた。「果」は因果の意をかける。」>(同)
□和148:あさましや つるぎのえだの たわむまで
こはなにのみの なるにかあるらん
□悠148:じごくえに けんにさされる ひとのむれ
このよでどんな あくをしたのか
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