2007-0427-yis147
本当は添えて葬る形見衣
名だけ残ってただ悲しいわ 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○これも長い。「小式部内侍うせて後、上東門院としごろたまはりける衣を、なきあとにもつかはしたりけるに、小式部内侍とかきつけられたりけるを見て」。皇后さまか娘に賜った衣を、娘の形見として、そのまま母の私に下された。何年か経ってあらためて見ると、娘の名が書かれたまま。本来なら亡骸に添えて、朽ち果てているはずなのに、こうして衣とともにあの子の名が残っている。それを見るのは、何て悲しいことかしら。
¶としごろ(年頃)=「長年。長年の間。この何年もの間。数年来。」(旺文版『古語辞典』)
□和147:もろともに こけのしたには くちずして
うづもれぬなを みるぞかなしき
□悠147:ほんとうは そえてほうむる かたみぎぬ
なだけのこって ただかなしいわ
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