2006-1225-yis055
新しい衣が嫌で脱ぎ捨てて
音なしのまま訪ねて来るの? 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書、「しのびたる男の、いたくなる衣(きぬ)を、かしがましとておしのけければ」。お忍びでお出でになるのに、衣摺れの音がうるさいからか、それとも角張って痛いのか、脱ぎ捨ててとは、ねぇ。
¶いたくなる衣(きぬ)=「たいそう衣ずれの音がする衣。・・・<ひとへ>、肌着の新調のものか。」(新潮版) 私は「いたく」を、「甚(いた)く very much」と「痛く with pain」の連想関係と解釈した。
¶かしがま(囂)し=解字、「器」の「大」を「頁」に置き換える。かまびすしい。騒がしい。うるさい。(古語辞典参照)
¶おとせぬ=<「訪れない」と「衣ずれの音がしない」をかける。>(新潮版)
¶身にちかくなる=<「身に近く鳴る」に「身近に馴れる」意をかけた。>(同)
□和055:おとせぬは くるしきものを みにちかく
なるとていとふ 人もありけり
□悠055:あたらしい ころもがいやで ぬぎすてて
おとなしのまま たずねてくるの?
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