悠山人の新古今

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088 あの世への恨みは

2005-10-21 05:30:00 | 新古今集

 いくら手紙を贈っても、「つれなかりける女」にしびれをきらして、「後の世まで恨み残るべきよし」と、ほとんど脅迫してやった。藤原成通の家集に所収というが、この男、もちろん高位貴族。相手の名は伝わらない。
【略注】○たまづさ=手紙(悠049/08月24日補説参照)。
☆「西行・定家・・・頷き酔う/古今集1100年 新古今集800年/俵万智」(きょうの朝日新聞)
から。
    唐衣ひもゆふぐれになる時は 返す返すも人は恋しき
         (古今集巻十一恋歌一・五一五よみ人知らず)
   ・・・「なんてまわりくどい!」と、ここで思ってしまったら、和歌を味わう楽しみを手放す
  ことになる。とはいえ私自身も、最近まで、この歌の魅力を理解していなかった。
   [それが「文学」高田祐彦論文]を読んで、掛詞という技巧に対する見方が、まるで変
  わってしまった。
 それに続けて評者は論文を引用する。「(衣の)紐(を)結う」のと「日も夕(暮れ)」は無関
係だが、「返す返す」が介在することによって、「やるせない心情がかたどられる」。(悠山
人要約)
 関連鼎談(佐佐木、俵、神作)が、29日、白山の東洋大で。参観自由。


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