恋する女。La femme dans l'amour。映画の題名ではなく、私が和泉式部に与えた名。この一作も歌人の心の情感を切なく伝える。万葉集からの本歌取り。花名二つは現代語に代えるに忍びない。
【略注】○尾花=薄(すすき)の花穂。
○思草(おもいぐさ)=南蛮煙管(なんばんぎせる)が多数説。ほかに女郎花(おみ
なえし)・露草(つゆくさ)・竜胆(りんどう)・紫苑(しおん)の各説あり。ただし岩波版
は「特定の草ではなかったらしい。」とする。草を種(くさ=原因。「思ひ種」で、「恋の
悩み事」)と掛ける。
○枯れ=「離(か)れ」と掛ける。源氏物語(若紫)に「年ごろの蓬生を離れなむも」
(長年住みなれたあばら家を離れてしまうのも)の例。
○和泉式部=悠 053(09月08日条)既出。補説あり。
【補説】和泉式部の遊び心 「和漢朗詠集・無常」の「羅維(らい)」条に、「観身岸額離根
草・・・」とあり、読み下すと43音になる。
み-を-か(ん)-ず-れ- ば-き-し-の-ひ- た-ひ-に-ね-を-
は-な-れ-た-る- く-さ-い-の-ち- を-ろ(ん)-ず-れ-ば-
え-の-ほ-と-り- に-つ-な-が-ざ- る-ふ-ね
身を観ずれば岸の額に根を離れたる草。
命を論ずれば江の頭に繋がざる舟。
この各音(字)を初字とする連作、43首を作った。貴族階級の常識である無常観を承
知しながら、なおその中で遊び心も忘れなかったのだ。「野べ見れば」は、この第9音
(「岸の」の「の」)の和歌である。(この項、とくに小学版・岩波版に負う。)
※ 私のささやかな遊び。ブログ原稿のULの時刻をみると、ほとんど00秒になっている。
これは分・秒とも訂正ではなくて、目の前の電波時計2個と睨めっこしながら、00秒にな
った瞬間に「投稿」ボタンを押すのである。宇宙ロケット発射のカウント・ダウンの気分。失
敗もあった。送出側に起因するのであれば問題ないが、過去に受信(goo)側の原因とし
か考えられない、数十秒の遅延表記が1回だけあった。あれは何だったのか。誰も知らな
い遊び心。
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