『新古今和歌集』巻第十三恋歌三は、1149 から 1233 まで。
夫道隆とのなれそめを詠む。百人一首(054)でおなじみ。
【略注】○今日を限りの=お逢いした今日が最後の(という気持ちの)。
○高階貴子=儀同三司母(ぎどうさんしのはは)が通用。この一首だけ入集。
【補説】評価。「移りやすい人間心理の機微を知るゆえに、恋が遂げられて命が燃えて
いる今日という日のままで死んでしまえたら、どんなに幸福であろう、という。声調流麗。
美しい愛の世界に永遠に生きたいという願いのせつなさが、哀艶な抒情にした。」(小
学版)