家集『長秋詠藻』の詞書に、師走半ばの雪深い朝を詠った贈歌とある。(小学版)
【略注】○もし=「もしも」ではなく、「もしかして」。
○藤原俊成=悠026 既出。
【補説】『長秋詠藻』の名の趣に惹かれて、少し調べてみた。
①三巻歌集。1178(治承2)年自選。「書名は、皇后宮(こうごうきゅう)の漢名
「長秋宮」(ちょうしゅうきゅう)にもとづき、俊成が後白河院の皇后宮大夫(だい
ぶ)であったのによる。」(「増補改訂 新潮日本文学辞典」1988/1991-5刷)
②次の悠 059 には返歌を採り上げることにして、いよいよあの国歌大観へ手を
出してみた。『新編 国歌大観 第三巻』私家集編Ⅰ 歌集』(角川書店、1985/
87-再版。以下、大観)によると、「俊成には長秋詠藻三巻と長秋(家集とも)二
巻の両撰歌集がある。」 長秋詠藻271の個所には「極月[きわまりづき。ごくげ
つ。十二月]の十日あまり雪のいとたかうふりたる朝に、左大将実、新大納言と
きこえし時おくりし」の詞書がある。歌の表記も、私の基本テクストとする小学館
版とは情景が違って、大観ではこうなっている。
今朝はもし君もやとふとながむれば [以下同じ]
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