フェリーに乗る迄
時間を持て余し
新潟観光マップを見ていたら
バンフの中に
芭蕉堂と印刷してあった
芭蕉は奥の細道の越後路で
荒海や
佐渡によこたふ
天の川
と詠み
日本海の浜辺を歩った筈と
早速お目当まで行ってみたが
砂浜は水族館等の公園になり
防風林目的の
樹木も生い茂り
浜辺のイメージはない
芭蕉は
古くなった蓑を脱ぎ捨て
新しい蓑を纏い
浜辺を一路
一振、那古浦、を通って金沢へ向った
後世
その場所を蓑塚と言って
この地に石室の芭蕉堂
を建て
ゆかりの物を埋め込んだとか
コンクリート製の建築は
蜘蛛の巣がまとわりつき
トーチカみたいで
どうも芭蕉の風情を感じない
がっかりしたのは
わたしだけではないと思うが?
辺りに
北原白秋
坂口安吾
の石碑
もあつたが
小高い森の中で
砂浜は見えず
譜のイメージとほど遠おかった
歩き疲れ
駅裏の夕陽がやけに寂しく
夕闇に消えていった