長い国境のトンネルを
津軽側よりくぐれば
そこは秋田県
奥羽本線無人の陣馬駅だ
民家も人も見えない山間の
駅周りは
燃える深緑が
快晴の青空に映える
今は国道7号線が拡幅され
峠を難なく超える立派な道路で
自動車が頻繁に往来する
一歩山奥にそれれば旧羽州街道が
川沿いに蛇行して峠に続き
そして
峰を歩く古羽州街道だ
鬱蒼と高く茂る太い秋田杉原生林を
仰ぎ旧羽州街道から古羽州街道を
吉田松陰が弘前まで歩った道筋をたどる
昔
津軽藩が参勤交代で
狭い急峻なこの街道を通った
歴史と
幕末期に積雪の中
こんな遠くまで来た
若い松陰の心の内に思いを馳せて・・・
今は杉の枯葉が絨毯の様に
古道に積もり
歩くと優しいクッションが続く
人の歩った気配の無い
完全な山道だ
立派な秋田杉に接して
久しぶりに心地良く山歩きをして
山間の峠にある
矢立温泉に投宿した
温泉は鉄分の多い
真茶なお湯がドクドクと流れ
まさに源泉かけ流しで
青空見ながら足を投げ出し
無我の境地
露天風呂は最高
心地良い汗をかいて
もちろん生ビール
グゥビグゥビドクドクで・・・
今に生きる幸せをかみしめて‼️