大分前に、「笑傲江湖」に出てくる岳霊珊というキャラクターについて書いた。(→「笑傲江湖」の岳霊珊)
「岳霊珊」で検索してみたことがあるけど、この記事がかなり上位に来てびっくりした。
うちは過疎ブログだけど、岳霊珊たん萌えの人はもしかしたらこの記事を見たことがあるのかな。
「岳霊珊」で検索する人がまずほとんどいないんだけどな!
というわけで、今回は「笑傲江湖」シリーズ第二弾。林平之のことを書こうと思う。
……岳霊珊よりもっと需要なさそう。
例によって小説版の話。映像化作品のことは知らない。
「笑傲江湖」は、主人公がなかなか出てこない。第一巻だけ読んだら、林平之が主人公のようにしか見えない。
序盤では完全に林平之に感情移入しながら読んでいたので、視点が主人公の令狐冲に移動したあとも、林平之のことがずっと気になっていた。
林平之は金庸作品には珍しい(らしい)中性的な美少年キャラ。そして正義感が強い……はずだった。それが、どうしてあんなに変わってしまったの。
悲しかったよ。岳霊珊と幸せになって欲しかったよ。
作中では、さんざん男を見つめがないと言われていた(ような記憶がある)岳霊珊。
でも、私は岳霊珊の気持ちわかるよ。そりゃあ若いイケメンの方がいいに決まってるじゃない。令狐冲って、岳霊珊よりかなり年上みたいだし。
「笑傲江湖」は一応ハッピーエンドなんだけど、私にとってはあまりハッピーじゃなかったかもしれない。令狐冲や任盈盈よりも、岳霊珊や林平之のほうが好きだったから。
林平之はあんなに一途に思ってくれる岳霊珊を殺したクズ野郎なわけだけど、これ林ちゃんの気持ちになってみると、どうだろう。
両親を失い、信頼していた師匠にも裏切られた。誰も信じられなくなって、絶望していた。結婚する直前に去勢したのだって、悲壮な決意のはずだ。
そして、捻じ曲がってしまってもしょうがないくらいの経験を確かに彼はしているんだよな。
で、岳霊珊のことも信用できなくなっていた。父親とグルになってだましているとしか思えなかったんだろうな。
だから邪険に扱って、殺した。可愛さ余って憎さが百倍。
岳霊珊の本当の気持ちを知っていたら、こんなことにならなかったんじゃないかな。だからといって許されるわけじゃもちろんないけど。
林平之と二人きりで何度も密会してて、最後には結婚までしたのに、岳霊珊は処女のままお亡くなりになった。
もしかして、金庸先生って処女厨?
金庸作品は二作品しか読んでいないけど、日本のヲタクに似たメンタリティを少ーし感じたのでちょっとそう思ってしまった。