今回は、なんだかすごくモヤモヤする内容だったな。男らしさの押し付けと「親子は仲良くするべき」っていう価値観の押し付けがダブルで来て。
「子供のことを思わない親はいない」ってタケルが言ってたけど、いるよな、普通に。前作「ドライブ」のラスボスだってそうだったじゃないか。
シブヤのお母さん、ひどい親だと思う。毒親と言っていい。シブヤはいい子なのに、自分の気にいる男らしさを備えていないからってあんなに否定して。
こういうひどいお母さんが出てくるのはいいんだけど、ここからこのお母さんの期待に応えようとするのがいいことだ、みたいな話に持っていくのがなあ。
無謀な戦いに挑むのが男らしさなのか? そもそも男らしいっていいことなのか?
お母さんがシブヤを追い詰めた結果が、あの危険な行動なんだよね。たまたま死ななかったから良かったけど、これ死んでたらお母さんに殺されたようなものだよな。
戦っても敵わない相手からは逃げたほうがいい。いや、逃げるべきなんだよね。無謀な勇気を褒め称えるような態度は有害でしかない。子供が見る番組だから、こういうの余計に良くないと思うんだ。
アカリが天才科学者だったり御成が子供の面倒を見てたりするところは好きなのに、こういうステレオタイプな男らしさの押し付けを肯定してくるのはなんだか残念だ。
シブヤは結局母親の呪縛から逃れられなかった。そして周囲もその状態を肯定した。これを「いい話」風にまとめちゃうのはやっぱりどうかと思うなあ。
そう言えば、主人公のタケルも親に縛られた子供なんだよね。いつもお父さんのことをものすごく意識してて、その遺志を継ごうとしてるし。
アデルだってもしかしたらそうなんじゃないのかな。親父に教えられてきたことを忠実に実行しようとしているだけの、ある意味純粋な人なのかもしれない。