川柳・ボートっていいね!北海道散歩

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現代川柳『泥』2号 プレッシャーこそが!(佐藤容子)

2009年10月01日 | 川柳
  現代川柳『泥』2号 プレッシャーこそが!(佐藤容子)

 エイプリルフールに産声をあげた。「泥」も六ヶ月が過ぎた。あっという間だったというのが正直な気持ちである。

 創刊号の反響は想像を超えるものがあり、小誌の部数が足りなくなるというアクシデントまで起こり、大変に失礼をしてしまったことを先ずお詫びしなければならない。
 有形無形の身に余るご厚情に胸を熱くしながら二号目の出来栄えは?
 
 いよいよ三者三様のカラーが彩濃く表出されてきたのではないだろうか。

 満身創痍の覚悟のスタートが満身に温かなエールを受け、今大いなるプレッシャーこそが創作意欲の源であることを実感している。

 「全ての創作品は未完成である。」という言葉があるが、読者の中でしか完成しない作品を読者はどのように読んで下さるのだろう。

 
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月の息・・・佐藤容子

2009年10月01日 | 川柳
              現代川柳『泥』第五号

              雨激し兵士は寡黙のまま神へ

黙々と雫れたさくら拾う兵
                        時効まで孤灯の下で糸を吐く
           テロの棲む街に干してあるパンツ
                        折れやすき爪とポリシー腹が空く
振り向いて時々愚かさを拾う
           月の吐く息の白さにせかされる
                        ひとつずつ忘れて欠ける海の月
昼月の真下を走る霊柩車
           生きるため月を選別機にかける
                        トンネルが長くて疑い深い街
遠い目をしていた犬の死を思う
           故郷の敷居の高さ石を積む
                        言い分は確かにあった逢うまでは
あたたかな涙も混じっている水面
           くっきりと指紋を残しておくこの世
                        仮の世で握手ばかりをするさくら
次の世へついて来るのか藁人形
           まだ雪は降るだろ老臭深き里
                        順調に老いてドッコイショと座る
死んだふり寝たふり酔ったふりの葦
           音たてて水のむ体臭消えるまで
                        ペンを持つ指は怒涛の海へ海へ
てのひらにのせる男の錆びた影
           矢印の通りに歩いてきた迷子
                        芯折れる音に目覚めるわが背筋
冬眠の最中ウロコ発光す
           この髭に触れることなく春の駅
                        衣食住満ちて曲がってくる背骨
ずぶ濡れの指で送信するメール
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空を見るのによいように・・・金子みすず

2009年10月01日 | 川柳
                            お日さん、雨さん
                

              ほこりのついた
                芝草を
              雨さん洗って
              くれました。

              洗ってぬれた
                芝草を
              お日さんほして
               くれました。

              こうして私が
               ねころんで
              空をみるのに
               よいように。

まぼろしの名詩が50年ぶりに発掘されてから、昭和59年に第一版が刊行されました。(1903
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