夫は若い頃、陶芸家になりたくて飛騨高山の作家の元へ修行に出かけたはずが、
「郷里に帰って山がないなら・・一生ここで暮らしますか?」と、問われ・・
若さの短絡さか・・そこで陶芸家を断念した。
そして、京都へ渡り有名な陶芸作家の作品をデパートで売ったり、仕入れのため日本中の窯元へ行き2年ほど高島屋などにも勤めていた。
私は私で、日本髪の歴史を辿り「結髪」の修行に両国まで行ったはいいが、
日本髪を作るには10年はかかると言われた。
当時の大先生は83歳である。
「10年後は生きてないだろう・・??」と、騙された気になった。
夫はその後、沖縄でアルバイトをしながら、自分が大好きで一生をかける対象として画業の仕事をしながら寝る間も惜しんでシルクスクリーン版画やエアーブラシ、彫塑などにも取り組んでいた。
結婚して彼の書棚に「柳宗悦全集がずらーっと並んでいた」1冊ずつ感想を聞いてもろくに返答もない。
ならば、私が自分で読めばいいと思い余りにも内容が素晴らし過ぎて夢中で読み終えた。(民芸家のバイブルでもある)
そんな折、これもまたデパートのお付き合いで以前から欲しかった「泥大島紬」地球印、作家の名前も織り込んである私用の素朴で高齢になったら着るつもりの反物がタンスにナフタリンと共に眠っている。
そして、また男用の白大島もナフタリンと共に眠っている。
両方を合わせれば100万は超える。
転売してもいくらにもならない。
孫たちに残しても価値はわからない・・・さて、今後どうしたらいいものか??
柳宗悦氏の感化による・・私のコレクションでもある。。。
次回は江戸切子。