徳川斉昭は、食事ごとに、自らつくったという農人形に、一箸の飯を農民に感謝して供えたそうです。それを、奥女中の吉原が、蒸して(焙烙で炒ってともあります)、きなこをかけたものが、吉原殿中の原型だそうです。現在はもち米でつくったあられのような菓子種を水あめ(砂糖)などでかためて、きなこをかけた菓子だそうです。熊谷の五家宝の源流のようです。
吉原殿中という名称は、水戸菓子工業協同組合が商標登録していて、現在減ったものの5店が使用して販売しているようです。食べ比べて見ましたが、きなこ、水あめの多少、パラフィンのあるなしなどで、食感の多少の違いはあるようでしたが、甘味や香り、大きさなどでほとんど違いはないようでした。舌に自信があってお暇な方は、食べ比べてみて下さい。
あさ川(元石川町富士山325-19)
オブラートでくるんで、紙で巻いて上下でねじるのが一般的だったようです。購入したのは、水戸駅のおみやげや プラム水戸(宮町1-1-1)です。
亀じるし(見川町2139-5)
購入したのはエクセルみなみ(宮町1-7-31)です。本社では、製造風景を見学できるようです。
郡司製菓(東原2-1-42)
先代が吉原殿中をつくりはじめたそうです。素朴な菓子なので、無添加なものが多いようです。甘納豆も主力商品のようです。
本屋(もとや)製菓(東台2-3-16)
吉原殿中の専門店だそうです。国道51号線の北側にある目立たない小路にあります。
吉田屋本舗(末広町2-4-12)
斉昭時代、城下の御用菓子司の吉田屋2代新介が、改良して藩に献上したのが商品の始まりと書かれたものもありました。たしかに、包装紙に元祖と書かれています。