好文亭奥殿の襖(ふすま)には部屋の名前となる植物が描かれていますが、そこには動物も描かれています。以下に並べてみましたが、好文亭に行ったときには探してみてください。
好文亭は、昭和20年の戦災で焼失、昭和33年に建物が復元された際に、日本画家、須田珙中(きょうちゅう)と田中青坪(せいひょう)により奥殿の襖は描かれたそうです。昭和44年に落雷により奥殿が焼けたとき、襖は運び出されて助かったそうですが、萩の間の天袋(てんぶくろ 部屋の天井近くに設けられた収納設備)の戸4枚は焼けたため、その後、青坪が新しく描いたそうです。
ニワトリ(桃の間)
田中青坪が描いたそうです。菊の間と桃の間は板敷きですが、台所として使われたからだそうです。花の下に、つがいのニワトリがたんせいに描かれています。
スズメ(躑躅(ツツジ)の間)
田中青坪が描いたそうです。一番身近な鳥なので、絵の対象として使いやすかったのでしょうか。スズメはそれぞれ別々の方向を向いています。
キジバト(躑躅の間)
田中青坪が描いたそうです。躑躅の間では、キジバトは白い躑躅と、スズメは赤い躑躅と一緒に描かれています。大きく見える赤の躑躅には小さなスズメを、小さく見える白い躑躅には大きなキジバトを配したのでしょうか。
ウサギ(萩の間)
須田珙中が描いたそうです。水でもかぶったのか、ぼけてしまっていますが、つがいのウサギが描かれているようです。秋の月とウサギはよい組み合わせのようですので、秋の萩とウサギが配されたのでしょうか。
オシドリ(紅葉の間)
須田珙中が描いたそうです。樹下にオシドリが休んでいる図のようです。以前の絵葉書を見ると、紅葉の間、床の間横にある天袋の戸には紅葉が描かれているようですが、現在は無地の白い戸になっているようです。
スズメ(竹の間)
田中青坪が描いたそうです。竹とスズメは相性がいいようで、古くから一緒に描かれているようです。この絵では、竹の子と組みあわされています。躑躅の間でスズメは地上に降りているので、ここでは飛んでいる姿を描いたのでしょうか。
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