水戸の農村部で、ときどき空気抜きのある蔵をみることがあります。養蚕の名残かなと思っていましたが、聞いてみると煙草の葉の乾燥蔵だそうで、水戸がかつての水府煙草の地であることを実感しました。現在、ほとんどは放置されているようで、劣化状態はかなりのようです。下の全部がタバコの蔵かは確認していません。
茨城県には1万をこえる乾燥蔵があったそうで、ベーハ小屋といわれたそうです。「ベーハ」は米葉で、アメリカ原産のタバコの黄葉のことだそうです。2階建てのように見えますが、吹き抜けになっているようです。日本の在来葉の乾燥のためには、特別な乾燥室を普通つくらなかったそうですので、蔵の基本モデルはアメリカ由来のようです。
成沢町
普通の農家にある土蔵形で、二方向に屋根がかけられています。
飯島町
上と同じです。中が吹き抜けなら下の屋根は裳階(もこし)といったところでしょう。
下入野町
空気抜き屋根上に、さらに機械の空気抜きがついています。
赤尾関町
方形に近い建物の方形(ほうぎょう)屋根に空気抜きの機械がついています。2間の方形は専売公社の標準設計だったようです。
木葉下町
一つだけ見た石造で、機械の空気抜きがついた蔵です。乾燥には火を使うので、防火の点で優れていたのでしょう。
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