弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官→原告→法科大学院教授になった竹内浩史のどどいつ集

「朝まで」評議に 参加をしない 判事・検事は 被告人?

2008年06月29日 02時02分37秒 | 未分類
「朝まで生テレビ!」どどいつ③
「笑点」の春風亭昇太ではないが「それじゃ駄目じゃん」と叫びたくなるような結末だった。
番組では最高検にも出演を要請したが、法務省から「今回は出演できない」との回答を受けたという。どうも腰が引けている印象を受けて、残念だ。
結局、法曹三者からは弁護士のみ(国会議員と元検事を含む)が参加。
これまでの刑事裁判の批判で盛り上がるという展開は「想定の範囲内」だったので、最高裁と最高検が出演を辞退したのは賢明なのかも知れない。
しかし、検察の回答はあまりにもぶっきらぼう。裁判所の回答も、裁判員制度に対する違憲判断を留保しているという意味かと深読みされかねない。また、それならばそれで、留保は明確にして議論に参加することは、十分可能だったと思われる。
いずれにせよ、不参加では、被告人が黙秘権を行使しているみたいだ。
私も「これまでの刑事裁判には問題が有った」という立場だが、その理由は「『職業裁判官なりに、きちんとやろうとしている』ことを国民に十分理解してもらうことに失敗した」という点にもある。弁明の機会を失したことは、やはり残念である。
現・元職の裁判官・検察官が参加しなかったことで、私が分類した、これまでの刑事裁判に、
①問題が有った→賛成(日弁連執行部など)
②問題無かった→賛成(最高裁など)
③問題が有った→反対(一部の弁護士グループなど)
④問題無かった→反対(元裁判官の一部の著作など)
という4派のうち、②と④の立場の参加が無く、専ら①と③の立場の争いに終始するという、ある意味で平板な「評議」の展開になってしまった。